ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

オフィスコットーネプロデュース『密会』★★★★★ 

 ザ・スズナリにて。
脚本:大竹野正典* 演出:日澤雄介
出演:稲荷卓央(唐組)、清水直子俳優座)、岡本 篤(劇団チョコレートケーキ)、内野 智、蒻崎今日子(JACROW)、宇田川さや香(劇団江戸間十畳)、ヨコタシンゴ(劇団江戸間十畳)、藤井びん、西山聖了←声ですぐわかるね。
 
劇団チョコレートケーキの日澤雄介さんの演出で岡本篤さんや蒻崎さんのお名前があったので、チョコレートケーキのお芝居をイメージしていましたが(だから観ようと思った)、全然違いました。シュールな美術、歪み具合に安部公房の匂いがしました。
電磁波の音に幻覚。時間がコラージュされる会話劇。交錯する時間に繰り返される同じ場面、同じ会話、 その理由が浮き彫りになっていくおもしろさ。古びたベンチの向こうの路地に差し込んだ日差しの柔らかさはとても日常で、だからそれは生活と隣り合わせ。とても苦しく、大変おもしろかったです。

『男は暗い夢の回路の中を彷徨し続ける。「ペルシャの市場」が流れてくる。男の周りに「電波」にのって執拗な声が「電話を掛けろ」と付きまとう。「ペルシャの市場」が響き渡り、男は踊り狂う。』
このように大竹野正典さんの戯曲にこの曲を使うという指示があったそうです。http://www5c.biglobe.ne.jp/~kujirak/hist/10_mikkai/mikkai_str2.html
 
「深川通り魔事件」と言われてもピンと来なかったけれど、アフタートークで犯人の名前(川俣軍司)を聞いて、当時連日のようにテレビに映った白いブリーフと白いハイソックス姿で逮捕された髪の薄い男の顔がフラッシュバック。あ、あの白いブリーフは・・!

 1993年に上演された『密会』の初演は、安部公房の「密会」をベースにこの事件を取り込んだものだったらしい。今回は安部公房の「密会」をすっかり取り去ったとのこと。(←劇団サイトを見たら、密会の作品紹介に書いてありました。http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/mikkai/mikkai_story.html)ですが、私は安部公房を感じました。セットが別役さんっぽいらしいけれど、私は別役作品をあまり観ていないので、比較できなかったです。
*大竹野正典さんは、2009年7月19日、海水浴中の事故により48歳という若さで世を去った大阪で活動されていた劇作家・演出家さん。http://www5c.biglobe.ne.jp/~kujirak/
戯曲を読んでみたかったけれど3000円なので断念。Amazonを見たらもっと高い!!