ヒューマントラストシネマ有楽町にて
SATANTANGO(Sátántangó)
全編約150カットというハンガリー映画です。
「雨が降り始めた。もう、春が来るまで降り止まない―。」
雨に引きずり込まれ、同化する。
全然長くない、むしろもう終わり?と思ったくらい。説明がないから(良い意味で)頭の中が忙しいです。カメラワークが最高です。
モノクロームだからこその美しく豊かな映像。延々と続く荒廃した風景と建物。そして音。そこにある人たちの心の中も風景と同じように空虚。一本道を行く彼らの背中が印象的。
絶望する彼らに容赦なく蜘蛛の巣をはっていく悪魔。
飽きることのない7時間18分、行き来する時間が交ったとき私が見ている時間が進むような感覚。
映画が終わって監督が客席から歩いて来てびっくり。ティーチインの回に参加できてよかった。
タル・ベーラ監督(Tarr Béla)は饒舌でチャーミングでした。
「この映画には原作があるので脚本はない。存在があるだけ」
「映画はストーリーテラーであってはならない。」
「俳優に演技はいらない。そこにあるのが俳優」
この余韻に上書きされたくないので明日予定入れなくて良かった。
パンフレットゆっくり読みます。
サタンタンゴ 4Kデジタル・レストア版
監督・脚本:タル・ベーラBéla Tarr
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースローLászló Krasznahorkai
撮影監督:メドヴィジ・ガーボルGábor Medvigy
音楽:ヴィーグ・ミハーイMihály Víg
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュÁgnes Hranitzky
出演:
イリミアーシュ:ヴィーグ・ミハーイMihály Víg
ペトリナ:ホルヴァート・プチPutyi Horváth
クラーネル:デルジ・ヤーノシュJános Derzsi
フタキ:セーケイ・B・ミクローシュMiklós Székely B.
エシュティケ:ボーク・エリカErika Bók
医師:ペーター・ベルリングPeter Berling
1994年/ハンガリー=ドイツ=スイス/モノクロ/1:1.66/7時間18分
日本語字幕:深谷志寿
配給:ビターズ・エンド