KAATの中スタジオにてリーディング公演「ポルノグラフィ」Reading “PORNOGRAPHY”観劇。
戯曲の一番最初に「この芝居は何人の俳優で演じてもいい。また7つの章をどのような順番で上演しても構わない」と書かれているらしい。
演出の桐山さんは戯曲の順番を希望があるように変えたようです。
★当日パンフはまだ読んでいません。明日読む！
すごーーくおもしろかった！全員上手すぎる！モノローグと２人ずつのダイアローグの組み合わせで語られる７章は事件が起こる前日〜その時間帯という時系列がほぼ同じオムニバス方式で、実行犯含め一人ひとりの性格や情景がありありと浮かびあがった。（観る前は『福島三部作のように語られなかった言葉（死者の）で構成されている作品かと思っていたら違っていて、私と同じ側の言葉だった）
竪山隼太くんは那須凜ちゃんと近親相姦にふける兄妹。言葉だけなのに体温を感じる。すごかった。
聞きながら2005年7月にロンドンで起きた悲惨な事件をニュースで見ていたときの衝撃を思い出して心臓バクバクしてしまった。同時に、彼らが普通に生活をしている人たちなので（途中で爆破事件に巻き込まれ亡くなった大勢の方々の、その日までの行動や為人や夢などが文字で映された）、身近なようで当事者ではない、けれどいつ自分が当事者になってもおかしくなかった地下鉄サリン事件や東日本大震災なども頭によぎる。黄色い線の内側と外側は紙一重。その境界線は実は見えない。
これ横浜公演だけなのがもったいないと思う。いつかまたやってほしいな〜。
作：サイモン・スティーヴンス
翻訳：小田島創志（爆破テロ事件のときにロンドンにいたそうです）
演出：桐山知也
出演：上田桃子 内田淳子 小川ゲン 奥村佳恵 竪山隼太 那須 凜 平原慎太郎 堀部圭亮 (五十音順)
「2005年7月にロンドン市内の地下鉄とバスで起きた同時爆破事件。ロンドンオリンピック開催決定直後、活気づく都市で起こった事件の数日前と当日の様子を背景に、街の中で生活する人々に焦点を当て、孤独や閉塞感、狂気を静かにあぶり出したサイモン・スティーヴンスの意欲作」
「家庭と仕事の両立をこなす女性、先生につきまとう男子生徒、近親相姦にふける兄妹、教え子を誘惑する大学教授、夫を失った孤独な老婦人、さらに爆破事件の実行犯。登場人物の多くは事件に直接関わりは無いが、誰もがそれぞれに不満を抱き、鬱屈とした日々を過ごしている。各々が一歩を踏み出すことにより歪む世界…。そんな彼らの生活を通して見えてくるロンドン同時爆破事件とは…。黄色い線の内側とはどこなのか…。」
本から目を離さない動かないリーディングらしいリーディング、久しぶりでした（一回だけ動いたけど😏）。私はＢ列のセンターだったので問題なかったけれど、最前列にいた友人たちはテープを使った演出でお目当てのキャストの顔が全然見えなかったと…横一列でなく、動くこともなかったので前列にいる俳優にかぶって後列にいる隼太くんがまるで見えなかったと…。最前列を買うひとは好きなキャストの表情が見たくてそこを選ぶ人が多いのだから演出家さんとか舞台監督さんはいろんな席に座って確認してほしい。
昨年４月の上演が新型コロナウイルスの影響で中止になり今年になった演目。昨年開催されるはずだったオリンピックに合わせていたんだなと改めて思った。最初小久保くんの名前があったけれどフライヤーが出たときに松田くんになり延期になった今年は隼太くんの名前で発表された公演。
リーディング公演『ポルノグラフィ』中止 https://magnoliarida.hatenablog.com/entry/20200408/1586312574
サイモン・スティーヴンスって『ハーパー・リーガン』『夜中に犬に起こった奇妙な事件』の本を書いた方でした。すっかり忘れていましたーー。両方とも大好き！！
９月上演のPARCO PRODUCE「Birdland」もサイモン・スティーヴンス作！演出は松居大悟さん！
私の好きな人のことを心配してくれてありがとう。大好きな抹茶ケーキ食べさせてあげたい！
