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「ムーミン」シリーズ原作者トーベ・ヤンソンが自ら監修し、78年から82年にポーランドで製作されたTVシリーズを、2010年にカラー修正・再編集し、美しい長編映画としてよみがえらせた本作(日本公開2015年)。
親友・スナフキンとの出会い、彗星が迫る地球の危機に直面したムーミン谷は? この物語の中で、ムーミントロールは、後に親友となるスナフキンやガールフレンドとなるスノークのお嬢さんと出会う。ムーミン・シリーズにとって重要な出会いのシーンは見逃せない。
また、戦後間もない1946年に書かれた原作は、トーベの戦争に対する想いが反映され、世界を灰色にしてしまった彗星は、原爆から影響を受けている。そして、彗星が迫ってくる、自分たちではどうすることもできない危機に直面したムーミン谷は、どうするのか?それぞれのキャラクターがとった行動は、地震や自然災害と対峙していかなければならない現代の私たちにもつながる普遍性をもっている。一方、彗星に怯えながらも、明るさとユーモアを忘れないムーミントロールたちの突飛な行動は、ホッと笑わせる。奥深くも楽しい「ムーミン」が永く愛されている理由がここにある。主題歌はアイスランドの歌姫ビョーク。
「ある朝、ムーミントロールが起きると、空や川、木や地面、そしてムーミンハウスまで、ムーミン谷の何もかもが灰色になっていた。物知りのジャコウネズミさんに聞いてみると、「空から恐ろしい彗星が地球にやってくる前ぶれなのだ」と教えてくれた。不安に怯えるムーミントロールとスニフ。ムーミンパパとムーミンママは、彗星について調べるために、2人をおさびし山にある天文台に行かせることにした。ムーミンパパが作ってくれたいかだで出発したムーミントロールとスニフは、河原でテントを張っていたスナフキンに出会い、旅の仲間が増えた。3人は、ガーネットの谷の化け物を倒し、荒れ狂う地下の川を下って、岩を上り、遂に天文台にたどり着いた。天文学者は計算によって恐ろしい彗星が、あと4日と4時間4分44秒後にやってくると予測。
家に帰ればきっとパパとママがなんとかしてくれる!4日後の日曜日までにムーミン谷へ帰らなければ!ムーミントロールたちは、家路へと急ぐ。その途中、予測もつかない奇妙な生き物たちや危険が待ち受けていたが、スノークのおじょうさんと、おじょうさんの兄スノークという新たな旅の仲間も加わった。迫り来る彗星が到着するまでに、ムーミントロールと仲間たちは、無事パパとママが待つムーミン谷へたどりつくことができるのか?」