彩の国シェイクスピア・シリーズ『ヘンリー八世』★★★★★

自宅から駅までは降っていなかったのに、与野本町に着くと台風の影響で突然雷も鳴り雨が降り出してレインブーツでよかったとなる。その後埼京線が停電したらしく13時開演が13:15に。３回目のスタンディングオベーションのカーテンコールで終わらず、吉田鋼太郎さんからの台風にふれたご挨拶がありました。風ひかないようにねと😊。

彩の国シェイクスピア・シリーズ吉田鋼太郎演出『ヘンリー八世』観劇。新型コロナの影響で終盤の公演が中止に見舞われてから２年半、再演です。Ｄ列下手ブロック（クロムウェルのしてやったりの顔とトマス・クランマーが前に来る嬉しいお席😆）

取り急ぎ、Tweetした感想を載せます。
素晴らしかった。初演から削ぎ落とされているところが多々あり、それがとても成功していたと思う。阿部ちゃんのヘンリー王が凄くて、だから全員阿部ちゃんに引っ張られて凄いことになっていたのでは…。登場人物一人ひとりが前より丁寧に描かれていたと思う。

サミエルの生演奏も最高です。最初の音で引き込まれ、私体ごと初演で観たイングランドに一気に戻ったと思う。
蜷川さんが避けていた作品をここまで面白く舞台にしてくれた鋼太郎さん、凄いです😳
一幕の、ウルジー卿に陥れられた谷田バッキング公爵の独白から泣かされたし…。

二幕でアッキークロムウェルの野心により転落したウルジーがクロムウェル聞かせる言葉、優しい命令が刺さります。BL色は初演より薄くなっていたわね。
悲しい場面と楽しい会話の緩急がすごい。
ヘンリー王の口癖の「HA!」が大臣だか公爵だか貴族だかの会話にも出てきてて笑った。

金子大地トマス・クランマーが初演時も予想以上に良いと思ったけれど、数倍素晴らしかった。カンタベリー司教となった彼が名付けた王とアン・ブリンの娘エリザベス一世の洗礼式での説教の言葉はイングランド国民となった客席に真っ直ぐに届けられ、その内容が先日亡くなったエリザベス女王と重なり、涙が抑えられず。
ただ、大司教に一人前の男にしてもらえたと言ったヘンリー王を憎らしく思う気持ちも。妃の地位を奪われたのに王を信じウルジーに対して毅然とした態度だったキャサリン妃のことを思い流れるのは悔し涙。

作：W. シェイクスピア
翻訳：松岡和子　演出：吉田鋼太郎（彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督）
出演：阿部寛、吉田鋼太郎、金子大地、宮本裕子、山谷花純、谷田歩、河内大和
大石継太、間宮啓行、廣田高志、工藤俊作、櫻井章喜、塚本幸男、飯田邦博、二反田雅澄、杉本凌士、水口てつ、佐々木誠、松本こうせい、大河原啓介、鈴木彰紀、齋藤慎平、松尾竜兵、石井咲、古庄美和、山田美波、坂田周子、沢海陽子、悠木つかさ
演奏：サミエル