ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズ(10 中島翔哉)と演劇と映画が大好き! 、亀田佳明、田島亮(・中嶋将人)成河、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠。B'z,BrandonBoyd&Incubus,JasonMraz,Eddie Redmayne,Timothée Chalamet

『デカローグ 5・6』(プログラムC)3回目/千秋楽★★★★★

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『デカローグ DEKALOG』プログラムCの千秋楽観劇。C1列センターブロック。あーもう最後〜と思いながら。

原作:クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
翻訳:久山宏一 上演台本:須貝 英
演出:5小川絵梨子/6上村聡史
美術:針生 康 映像:栗山聡之 照明:松本大介 音楽:阿部海太郎 音響:加藤 温 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:長町多寿子/西 祐子 舞台監督:濵野貴彦 清水浩志 総合舞台監督:齋藤英明


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『デカローグ 5・6』(プログラムC)初日の感想『デカローグ 5・6』2回目の感想🚕🍰デカローグ5(プログラムC) ある殺人に関する物語  演出:小川絵梨子

<あらすじ>「20歳の青年ヤツェク(福崎那由他)は、街中で見かけた中年のタクシー運転手ヴァルデマル(寺十 吾)のタクシーに乗り込み、人気のない野原で運転手の首を絞め、命乞いする彼に馬乗りになり石で撲殺する。殺人により法廷で裁かれることになったヤツェクの弁護を担当したのは、新米弁護士のピョトル(渋谷謙人)だった......。

出演:福崎那由他、渋谷謙人、寺十 吾、斉藤直樹、内田健介、名越志保、田中 亨、坂本慶介、亀田佳明

(舞台写真:全て宮川舞子さん)f:id:Magnoliarida:20240602220433j:image

ちょっと… もぉ…青年ヤツェクを演じる福崎那由他くんが凄かった。凄かったよ。処刑場に連れていかれるときポロポロ涙をこぼしながら「死にたくない」と命乞いをするヤツェク。暴れるも目隠しをされ絞首台に運ばれていく20歳のヤツェクを見るのは胸が苦しかった。遅いよ(T . T) 

ヤツェクを乗せたヴァルデマル(寺十吾)のタクシーが道路で軽量棒を持った作業員(天使)に止められた時、天使がヤツェクを見て首を横に振ったのに… あのとき視線を逸らさないでいたら、罪を犯すことなかったかもしれない。f:id:Magnoliarida:20240603171943j:image
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ロープを用意する=計画的だったのに、相手はタクシー運転手(理由は語られない)というのも決めていたのに(理由は語られない)「誰でもよかった」無差別殺人。

冒頭のピョトルが語る「法」についてモノローグに「刑罰は復讐」という言葉が出てくる。タクシー運転手はヤツェクの復讐の対象だったと思うけれど、それはヴァルデマルではない。

妹のマリシャを事故(自分も一緒にお酒を飲んでいた友人が運転するトラクターでひかれた妹。タクシーではない)で亡くす前の、村での、ヤツェクが幸せだったときの風の音と鳥の囀り、ピアノが心に残る。f:id:Magnoliarida:20240602205806j:image

🦜新国立劇場「ヤツェクがピョトルに故郷の村について語るシーン。春になるとマダラヒタキの鳴き声がすると話します。」「こんな可愛いフォルムなのに、マダラヒタキのオスはなかなかに手練れの浮気者だそうで…😅」https://x.com/nntt_engeki/status/1796745379037556811?s=46f:id:Magnoliarida:20240602205925j:image
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・1967年生まれのヤツェク。死刑執行されたのが20歳の1987年。ポーランドで死刑制度が廃止されたのが1998年。

・坂本慶介さんは団地の前で妻が妊娠中なのに乗車拒否されたアンジェイ、カフェの前で乗車拒否された酔っ払いを演じるので、どうか次はタクシーに乗れますようにと思うのは私だけではないはず。ロープを調整する執行官の役は演技でも毎回苦しくなりそう… ロープを巻き上げる音が今も耳に残っています。f:id:Magnoliarida:20240602220356j:image

・お芝居とわかっていても福崎那由他くんが実際に首に縄にかけられ吊るされるので、すぐに暗転しないその時間がとても長くてハラハラしました。

そして沈黙。脚立を持った天使が去る靴音だけが響きました。

ヤツェクは父親と妹が眠るお墓に埋葬してもらえたかな…マダラヒタキが鳴く村の。多分入れてもらえなかったね、ピョトルと話した母親の反応を思うと。
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そしてやっぱりデカローグ5で映画館の窓口の女、裁判長、医師の三役、デカローグ6でマリアを演じた名越志保さんの声と演技、好きです〜。文学座の方なのにこれまで観たことなかったなんて…。亀ちゃんとは『アラビアンナイト』で共演していますね。

王宮広場。タクシーはモコトゥフには向かうも、途中ヤツェクに言われ左へ曲がる。ビスク川がある。ヤツェクが運転手の顔に何度も大きな石を叩きつけた場所の近くの土手はのどかで、自転車で過ぎ去る人の影も。鉄道の音も聞こえた。

テレビシリーズのDVDの感想

🔭🏣デカローグ6(プログラムC)ある愛に関する物語 演出:上村聡史

<あらすじ>「友人の母親(名越志保)と暮らす19歳の孤児トメクは、地元の郵便局に勤めている。彼は向かいに住む30代の魅力的な女性マグダ(仙名彩世)の生活を日々望遠鏡で覗き見ていた。マグダと鉢合わせしたトメク(田中亨)は、彼女に愛を告白するが、自分に何を求めているのかとマグダに問われてもトメクは答えられない。その後デートをした二人、マグダはトメクを部屋に招き入れるが......

出演:仙名彩世、田中亨、寺十吾、名越志保、斉藤直樹、内田健介、亀田佳明

(舞台写真:全て宮川舞子さん)f:id:Magnoliarida:20240602222021j:image

とにかく可愛い田中亨。innocentが似合う俳優No.1では!

コメディタッチで演出された「 ある愛に関する物語」

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「僕はあなたを愛しています」

「あなたは何をしたいの?」「何も」

最初は興味本位で「窓の向こうのアバズレ女」を覗いていたけれど、崇拝に近い存在になっていったのかな?

「あ、あります。カフェにあなたを招待したい」と誘ったデートを受けてもらい、はしゃぐ可愛いトメクに微笑む天使f:id:Magnoliarida:20240602234742j:image

煙草を吸う天使の表情も重たげだった…。トメクが死ななくて良かった。f:id:Magnoliarida:20240602235631j:image

・トメクが手首を切ったことを郵便局員のヴァツェク(彼の名前を私が知っているのは、マグダが2回目の書留通知を持って郵便局のトメクの窓口に行き、トメクじゃ埒が明かないから所長が出てきて… コントみたいなやり取りになるときに 通知を書く担当のヴァツェクを呼ぶおもしろい場面があるので)から聞き、お見舞いに行きたくてもトメクの苗字はマリアからも教えてもらえなかった。

・孤児のトメクの孤独。4ヶ国語を勉強しているトメク。ブルガリア語を勉強したのは孤児院にいたブルガリア人の子と友達になりたかったのだろう。

・マグダの孤独。過去に裏切られたのか?愛を信じていない、愛なんて要らない、夜な夜な愛を感じない男たちとの情事を重ねるマグダが、はじめて自分のことを「愛して」くれたのがトメクだったのだろうと思った。仙名彩世さん演じるマグダが唯一楽しそうに笑っていたのはトメクとの「デート」だったから、バス停まで手を繋いで走る時間は二人にとって幸せな時間だったんだろうな。その後の「からかい」がトメクにとって残酷だったことに気づいた時にはもう・・

・そのマグダとの会話の最後に「ひとりは寂しい」のだと言ったマリアのこの一言がズシリと重い。マリアもまた孤独だとわかるから。

・可愛いトメクを離したくないから、今後マグダを彼にぜったい近づけないだろうマリア。シリアにいる息子の代わりだけど、息子はシリアから戻ってもまた戦場に向かうだろうから愛情をトメクに注いでいる感じ。

・終盤の入院中のトメクを探すマグダの一場面で、手首を切った浴室CUBEのカーテンの向こうにトメクがいてマグダが手を合わせようとすると…避けらるという幻想的な場面を過去2回見逃していた私の目の節穴さにびっくり🫢ラストに繋がるのに…

「覗く」行為が逆転するように、ラストは2人の表情も逆転する。トメクにすがるような表情にも見える弱々しいマグダと「もう覗いていません」と言う無表情のトメクは大人びていた。

このときマグダに「遅いよ」と思った私。正解はわからないけれど、愛ってなんだろう。

天使はいったん天国へ戻るのか、トメクは連れていかず一人で、と思った天使の梯子。違うか… 笑

公式さんより6話ラストの「天使の梯子」(撮影:宮川舞子さん)f:id:Magnoliarida:20240602200603j:image

テレビシリーズのDVDの感想 

magnoliarida.hatenablog.com

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今だけでも『デカローグ』、『未来少年コナン』という真逆のような舞台の音楽を作っていらっしゃる。デカローグも5と6で同じくピアノがメインでも全然違うアプローチだし、阿部海太郎さんの引き出し無限大だわ。演劇をさらに豊かにしてくれる音楽に感謝しかない。
演出はもちろんのこと、デカローグ7〜10で阿部海太郎さんの音楽と針生 康(はりう しずか)さんの美術がどういうふうに形を変えるのかも楽しみ。天使もねーー。

新国立劇場の演劇『デカローグ5・6』(プログラムC)舞台映像】

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【舞台写真・公演記録】