ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話2024』2回目★★★★★

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シアターイーストにて初日ぶり2回目の 『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話(2024)』観劇。H列センターあたりだったので全体が見えて、声も音も照明もとても鮮明で、コンタクトレンズを忘れたけれど問題なく表情まで見えて、とっても良いお席〜😊。収録用のカメラが入っていました!

初日のイキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』★★★★★ 

あらすじ「小説家の黒澤は、人里離れた山中の古い旅館に逗留し、執筆をしている。そこに二人連れの旅行者、田神と宮地がやってくる。世間話に旅館の縁起を話していると、それぞれの持つ怪談話を披露する流れになる。黒澤の部屋で腰を据えて語るうちに、次第に田神と宮地の目的が明らかになってくる。二人は警察官で、ある事件を追って旅館にやってきた。そして黒澤に疑いを持っていた。

小泉八雲の怪談五編を劇中劇として語りながら、黒澤の真実に迫っていく。」安井さんが載せてくれた台本より拝借しました。

https://x.com/yasuijunpei/status/1821770267527717210?s=46

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📌以下ネタバレ全開です!

 

客席に入ると、昔、お寺だったという旅館で、枯山水の中庭には梅の木と古い祠。開演前から一条の光を伝い落ち続けている砂はお清め砂でしょうか?

蝉時雨の音に夏を感じるある日、ある事件を調べている警察官・田神(安井順平)と検視官・宮地(盛 隆二)が辿り着いた旅館。そこには作家の黒澤が滞在していた。1ヶ月くらい前かららしい。

「この辺りには妙な噂があってね、聞いた話なんだが…」by黒澤

普賢菩薩を乗せた白い象が近づく音と大きな光に思わず振り向いてしまいそうになる【常識】。と書いたけれど、小泉八雲の怪談のタイトルは当日パンフレットに載っているだけで出てきません。

今回の〈イキウメ式枠物語(入れ子構造)〉の演出は前川さんの真骨頂だと思います!

イキウメで音楽にドラムの音が使われるの初めてかな?H列にいるとまるで生演奏のように聞こえる。すごく効いています。それこそアナーキーだ!

前川さんがインタビューで「もともと演劇って聞くものだったと思うし、視覚的な効果ももちろんあるけど、今回は何かお客さんの耳元で語っているような感覚、語られているような感覚を狙っていきたいなと思っています。」と話していましたが、はい、そんな感覚でした。とくに浜ちゃん演じる黒澤が語る声がね… 耳に優しい落ち着いた声がスーッと体に入ってくるんですよ。

時間軸バラバラで書いていくけれど… 警察官・田神と検視官・宮地が消えた遺体を調べていて、この土地に辿り着いたことがわかる。遺体安置所にいた男が「黒澤」に似ていることで話が大きく動き出す。

【お貞の話】(←その前の【茶碗の中】の「男」が遺体安置所にいた「黒澤」に繋がる)で、田神と宮地に黒澤が若い頃の恋物語を話す(〜温泉♨️で〜)。黒澤・大窪人衛くんと恋人・平井珠生ちゃんだけの場面で語られる。それがけっこう壮絶で… でもロマンチックで…【宿世の恋】に繋がっていくのです。平井珠生ちゃんがこのスピリチュアルで芸術家肌の恋人役にすごくハマっているのですよー。

「感謝する死者」という意味で仏教の経典にあるらしいグレイトフル・デッドというバンドのTシャツがキーになるのですが、それがふわりと時空を超えて次に出てくる場面(彼女の生まれ変わりなのか…体を借りているのか…)での彼女の一言が凄い(決して混乱させないイキウメにロマンチックが止まらない)。

「ありがとう、気づいてくれて」…その刹那さよ…

ふたりを歌舞伎の『牡丹灯籠』になぞらせたおかみ(松岡依都美さん)に「奇ッ怪な話を語る会なんだから」と語らせる黒澤。

さりげなく役が切り替わる皆さま。その中で、浜ちゃんの黒澤が新三郎になるとき「るんるん🎵」という感じで歩いていく後ろ姿がやけに可愛いから、あのときの思いを浜ちゃんに聞いてみたい。

話の内容は書かないけれど(「宿世の恋」または「牡丹燈籠」の)お露さんを家に上げた新三郎の様子を見に行った伴蔵・人衛くんの障子戸をあけたときの強い光の照明にゾッと… 。

そしてこの物話の終わり、荻原新三郎の選択に涙が出ちゃった。黒澤さーん🥹

で、この小泉八雲から聞いた話=宿世の恋の話だと私は思ったのです。

 

📚原作作品 イキウメ 小泉八雲に聞いた話の本 📖 

取り急ぎ。寝る前に一気に書いたので💤追記します。

原作:小泉八雲 脚本・演出: 前川知大
出演:浜田信也 / 安井順平 / 盛隆二 / 森下創 / 大窪人衛 / 松岡依都美 / 生越千晴 / 平井珠生
スタッフ:ドラマターグ・舞台監督:谷澤拓巳 /美術:土岐研一 照明:佐藤啓 音楽:かみむら周平/音響:青木タクヘイ 衣裳:今村あずさ ヘアメイク:西川直子 舞台監督:山下翼 プロップマスター:渡邉亜沙子 演出助手:山下茜 所作指導:山下禎啓 照明操作:溝口由利子 音響操作:鈴木三枝子 衣裳進行:馬場晶子 ヘアメイク助手:山﨑智代 宣伝美術:鈴木成一デザイン室 写真提供:小泉八雲記念館

 

大好き。すごく好き。でも前川知大さんのオリジナルSF作品の破壊力には敵わないと思う。あの高貴で力強い、想像力を刺激してくれる作品たちには。

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開演前に地下のPatio de METROでシーフードドリア。美味しかった〜。f:id:Magnoliarida:20240817225857j:image
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✍️ 演じる人|舞台と技|ユネスコ無形文化遺産 芸能への誘い 

www2.ntj.jac.go.jp

【追記「光る君へ」で】帝に献上した本(「源氏物語」のはじまり)それでも加筆修正をするまひろの「物語は生きている」という言葉に、前川さんやハイバイの岩井さんが思い浮かびました。