昨日の『ピローマン』の感想をぼちぼち(仕事中)書きます。ネタバレします。
🧸『ピローマン The Pillowman』プレビュー初日★★★★★
🧸『ピローマンThe Pillowman』初日★★★★★
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一幕の終わりの場面がキーだなぁ
いや、もっと前から
どこが本当でどこから嘘なのか
最初から架空の国のお話って言ってるし、とにかく寓話性が半端ない
あのミイラ(ミイラまではいかないか・・腐敗した死体)は…?
観るたびに頭の中に色んな思いが湧いてきて、ほんとまとまらない
マクドナーに絡め取られてる私😨「ピローマン」
あ、成河カトゥリアンはもう言わずもがなの演劇モンスターですが、LBからだと寝っ転がる木村ミハエルの表情を真上から見ることができて凄く切なくなり、斉藤さんのトゥポルスキ刑事の飄々とたまに支離滅裂になる顔を見ながら「アル中ですか?」となり、松田アリエルの最後の表情が最高に良くて震えたわけです。(と書いて昨夜は眠りにつきました💤)
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3回目ともなると「物語」として観ているのでワクワクしちゃった。ブラックユーモアでもやっぱりクスクス笑うくらいですが。
川の流れのようなセットを今日(観たのは昨日ですが今日って書いちゃう)はバルコニーLB(カトゥリアンが小さな頃に住んでいた家の子供部屋の上)センター寄りにて。
最前列の一番端の席が布張りの椅子に。川岸には乱雑に廃棄された埃の被ったもの。絵の道具、絵の具パレット、イーゼル、スケッチブック、アコーディオン、太鼓🪘、トランク🧳、舵輪、ノート、本、大きなブタさんの枕、チェス盤、靴下、タイプライター、骨のクッション、フランス人形、木馬、梯子、ランプなど。反対側に置かれている枕にはピンクのフライヤーにある枕と同じような裂けた口がついていました。【訂正:外骨みたいな枕でした】
プレビュー入れて3回目ですが、マクドナーが書いたこの物語のレイヤーが多重すぎて(だから観る人によって、座った席によって感想が違う= まんまとマクドナーの思う壺!)思いがまとめられません。
取調室の床に寝転がる(枕を押し付けられる前の)ミハエルの顔を上から眺めたのは今日が初めて。カトゥリアンを見つめる眼差しが優しく切ない。【追記:ミハエルと刑事たちは一度も同じシーンがない!?】←【訂正:ごめんなさい!思い出しました。アリエル刑事はミハエルに「飯食ってくる」と言って取調室を出て行きましたね。会わないどろか仲良さそうに会話していました👍。(感想を書いているうちに記憶を塗り替えたらしい、私)】
カトゥリアンがアリエル刑事に言った「読んだ人が好きに考えればいい」は『ピローマン』を書いたマクドナーが言っているような気がしますし。なので警察で取り調べを受ける兄弟という設定はちょっと傍に置いておいて、全て「チャンチャン!」として書きます。
ミハエルの「やっちゃったことはやっちゃったこと。」(えーー🤣)「チャンチャン!」(えーー🤣)にはびっくりしたよね。どの口が言う?って🤣
【ミハエルは本当にいたのか?】
【血で書いた物語を手に死んだミハエル】「作家とその兄弟」という話では死んだミハエルが手に持っていたというセリフもある(あの腐敗した死体です)。「俺、死んだしさ」って言いうし。(混乱するって!)
【訂正「作家とその兄弟」という物語の中で死んで発見されるミハエルです。】https://magnoliarida.hatenablog.com/entry/20241019/1729303018
【ミハエルが持っていた物語を燃やしたカトゥリアン】それは「作家とその兄弟」?(混乱するわー)それに沿って生きたようなストーリーは現実なのか物語なのか。【ミハエルは嘘が多い】行方不明の3人目被害者のことで嘘をついたのは優しい嘘だけど。
【ミハエルとカトゥリアンは同一人物では?】
カトゥリアンは一人っ子のミハエルが作り出したもう一つの人格なのでは・・。兄ミハエルが虐待を受けていたことに気ついたのが7歳のとき。それから7年間も兄が虐待される音を隣の部屋で聞いていたカトゥリアンというのがこの物語のベースになっている。ミハエルが別人格を創り出すことにより虐待に耐えながらも、いくつもの物語を生み出したのでは?ミハエルは【カトゥリアン・カトゥリアン・カトゥリアン】という弟を自分の中で創り出して小説を書かせていた。
これには友人も同意見で盛り上がり。あのサイコパスな両親は「実験」のために孤児のミハエルをもらってきた養父母かもしれない(カトゥリアンが書いた「小さなキリスト」の中に出てくるイエスになりたかった女の子。優しい両親が交通事故で亡くなってから引き取られた養父母に酷く虐待される。十字架を背負わされ貼り付けられ埋められてしまう)彼らはミハエル(とカトゥリアン)のパパとママだ。
【物語の多重構造】【一層だけではないレイヤー】「作家が言いたいこと」「読者が好きに考えればいい」と言ってくれている。
冒頭から幾つものセリフが物語の伏線になっていると思う。取調室で父親が女の子を虐待していた「リンゴの小人」の話に反応するアリエル刑事。アリエルの過去、そしてそれがラスト(カトゥリアンの希望)に繋がることを最後に知る私たち。
一幕ラストのミハエルが好きだった物語「緑のコブタ」の話は事件に繋がる。カトゥリアンが書いた「ピローマン」の話はラストのミハエルの物語に繋がるとともに、もっと大きなモチーフ(マクドナー先生が書いた戯曲)だったことに繋がる。 いい刑事と悪い刑事、優しい両親と悪い養父母。
どんな感想を書いても「だからーー最初から架空の国のお話って言ってるじゃーーん」とマクドナー先生言いそうですしね(カトゥリアン成河がお話ししてくれた「小さなキリスト」の女の子の口調で)。最後の「なんとなくこっちの方がよかったような気がする」一言はカトゥリアンではなくマクドナー先生ですよね?
やっぱりまとまらない。誤字脱字は後で訂正します。
【9日追記】カトゥリアンが書いた「作家とその兄弟」の話のこと
優しい両親に育てられた少年の7回目の誕生日に悪夢が始まる(子どもの叫び声やドリルの音などを聞くようになる。少年の14回目の誕生日に「君(少年)の兄」だと血で書かれた書かれた紙切れを渡される。その後引っ越す。
(ここから少年がカトゥリアンになる)ある時昔の家に行ったカトゥリアンは(14回目の誕生日なのよーー)14歳の子どもの死体(兄だったら15歳だよね?)腐敗した死体の手には血で書かれた物語が。14歳のカトゥリアンはそれを燃やした。
カトゥリアンが書いた「作家とその兄弟」の話
実際(?)は・・兄が生きていた。虐待により回復不可能なくらい脳が破壊された兄。
14回目の誕生日に(カトゥリアン)は両親を枕で殺害・・この日彼はピローマンとなったのもしれない。少年時代のピローマンはミハエルなんだ・・
【ミハエルの嘘】一幕のラストシーン。行方不明の3人目の女の子のこと。なぜ弟に「小さなキリスト」の本と言ったんだろう?
【すれ違い】兄さんが好きだった「緑のコブタ」の話を試せば良かったのにと弟カトゥリアン。
実は同一人物で・・彼が書いた物語と言うのが今日までの感想。あーー頭が混乱。
【追記】あの腐敗した死体は「作家とその兄弟」の物語でした。ミハエルが言った「俺、死んでるし」はカトゥリアンが書いた物語のミハエル。だから結末を変えてハッピーエンドにしてよってカトゥリアンにお願いしたのでした。
気になるワードがたくさんあるから、また感想が変わるだろうなぁ。( 写真:宮川舞子さん)
STORY「作家のカトゥリアンはある日、「ある事件」の容疑者として警察に連行されるが、彼にはまったく身に覚えがない。二人の刑事トゥポルスキとアリエルは、その事件の内容とカトゥリアンが書いた作品の内容が酷似していることから、カトゥリアンの犯行を疑っていた。刑事たちはカトゥリアンの愛する兄ミハエルも密かに隣の取調室に連行しており、兄を人質にしてカトゥリアンに自白を迫る。カトゥリアンが無罪を主張する中、ミハエルが犯行を自白してしまう。自白の強要だと疑うカトゥリアンは兄に真相を問いただすが、それはやがて兄弟の凄惨な過去を明らかにしていく......。」(写真:宮川舞子さん)
翻訳・演出: 小川絵梨子 出演: 成河、木村 了、斉藤直樹、松田慎也、大滝 寛、那須佐代子
美術:小倉奈穂 照明:松本大介 音響:加藤 温 衣裳:前田文子 ヘアメイク:高村マドカ 演出助手:渡邊千穂 舞台監督:下柳田龍太郎
木村了くんのミハエルも素晴らしいからカーテンコールでいつも亀ちゃんがいたらなぁって少し感傷的になる私。
亀ちゃん(亀田佳明)がインタビューで「兄のミハエルは深みがあるのかないのか。暴力性もあるし残虐性もある役ですよね。どの役も一面的じゃないので、僕の役も「知恵遅れ」と描写されているけど本当にそうなのか怪しいところもある。一筋縄では行かないのが人間らしさでもあるなと感じます。」そうなのよー。ミハエルはこっそり本を読んで理解しているもの。
「軽妙さと残酷さが妙な生々しさを持って届く作品だと思います。」ほんとにそれです。『ピローマン』
<ギャラリープロジェクト>トークセッション 演劇噺Vol.16「作家、マーティン・マクドナーに絡め取られてみる~。」