ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

潜水服は蝶の夢を見る le scaphandre et le papillon ★★★★★

『病院のベッドで目を開けたジャン=ドーは、自分が何週間も昏睡状態だった事を知る。そして身体がまったく動かず、唯一動かすことができるのは左目だけだという事も。ジャン=ドーは雑誌「ELLE」の編集者で、三人の子どもの父親だった。彼は言語療法士の導きにより、目のまばたきによって意思を伝える事を学ぶ。やがて彼はそのまばたきで自伝を書き始めた。その時、彼の記憶と想像力は、動かない体から蝶のように飛び立った…。』
  “−身体は潜水服を着たように重たくても、僕の想像力と記憶は蝶のように自由に羽ばたく−”
 これはもうオススメ度100%。泣ける映画ではなかったのよ、暗くないのよ、こういう映画にありがちなお涙モノになっていないところもいい!最初から最後までどこもかしこもスキな映画だった。オープニングのレントゲン写真・・これでもう心を掴まれた私(笑)。そのすぐあとに3週間の昏睡状態から主人公ジャン=ドミニク・ボビー(ジャン=ドー)が目覚めた瞬間から私は彼のまなざしにどっぷり同化していたのかもしれない。エンドロールの氷河の映像までずっと。
この邦題がスキ(そういうの、ひさしぶり)。脚本、俳優、音楽、映像、カメラワーク(私たちの目線も彼の左目になる)も全部スキ。ジュリアン・シュナーベル監督が画家でもあるのがうなずけます!フランス映画っぽーいと思ったんだけど、パンフ読んだらスタッフはアメリカの方が多かった。
「死にたい」と絶望したジャン=ドーが「もう自らを憐れむのをやめる」と生きる希望を見つけ・・自分の本を綴りはじめる、 まばたきで。
心の声がセリフになっているんだけど、それがまたユーモアがあって、そしてオシャレ♪ 悪態もつくし、きれいな看護婦には甘い・・潜水服を着ていなければファッション誌「ELLE」のちょい悪編集長のままだ。潜水服を着ていて動けなくても心は蝶になって自由に飛び回り夢想しちゃうジャン=ドー(あんなふうに恋人と牡蠣をむしゃぶりつきたいわ 笑)。彼がとてもポジティヴだから、重い内容なのに暗くなかったんだろうな。とにかくエレガントな人なのよ!ジャン=ドーって。というか、この映画がエレガント!
パンフによると、ジャン=ドー役にはマチュー・アマルリックではなくジョニー・デップにオファーが出ていたらしいんだけど、「パイレーツ・オブ・カリビアン」で忙しかったらしい。デップ好きだけど、この映画はマチュー・アマルリックでよかった!!というかマチュー・アマルリックがよかった!!!
 そして最後の最後に氷河の映像のバックに流れるジョン・ストラマーの「ラムシャックル・デイ・パレード」にやられました。←エンドロールで席を立つ人がよくいるけれど、この歌詞も出るので、見逃さないでね。