ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『から騒ぎ/Much Ado About Nothing』★★★★★ 

 面白かった〜〜〜!!とてもテンポがよくて笑いっぱなしでした。シェイクスピアの「から騒ぎ」は初めて観たのだけれど、こんなに面白い喜劇だとはーー♪ 約2時間55分(休憩15分含む)の長さを感じないほどでした。
蜷川幸雄演出。松岡和子翻訳。『パデュアの若き貴族ベネディックとメッシーナ知事レオナートの養女ビアトリスは、会えば口論ばかりしている仲だった。ある時、ベネディックの主君ドン・ペドロが異母弟ドン・ジョンとの争いに勝利し、凱旋の途中で一行を連れてメッシーナに立ち寄るが、そこでベネディックの親友でこの度の戦で戦功を挙げたフローレンスの若き貴族クローディオが、知事の跡取り娘ヒアローに恋をしてしまう。ベネディックには勇猛果敢なクローディオの変心を理解できないが、ドン・ペドロは朴訥な彼に代わってこの恋をとりまとめ、ついでにベネディックとビアトリスをもくっつけてしまおうと考える。しかし一行に恨みを持つドン・ジョンがクローディオとヒアローの縁談を壊そうと企んだことから事態は意外な展開をみせ・・・”
 オールメール・シリーズ(男性俳優のみ)で、小出恵介くんの初舞台というで注目していたのですが、初めてにしてはなかなか良かったんじゃないでしょうか。飄々としていてお調子者のベネディックにぴったりでした。感情の起伏が激しい役ですがその差があまり感じられなかったのと、舞台が初めてというのでたまに役者さん同士の “間” のようなものが取れず、そういうとき「・・・」と戸惑いの表情になってしまうのは・・これから経験を積んで上手くなっていくのでしょうね。でも、私は彼の聞き取りやすくハリのある声が好きだな。高い声はあまり好きじゃないのだけれど、低くはないけれど、耳障りではなく、けっこう心地よい声でした。友人たちとも話したのですが、今時の青年そのものの小出くんは、古典のセリフまわしのときはちょっと自信なさげになるけれど、今時のセリフになると急に生き生きしてパッと明るくなり楽しそうに演じていました。今後はシェイクスピアのような古典ではなく現代劇で本領発揮してくれそうですね(三谷さんとか)←そのときにまた観に行こうと思います。あとは、姿勢をよくする努力をすれば舞台映えするようになるかなー。役者は立ち姿がきれいじゃないとね!!!そこに立っているだけで観客を惹き付け、最後に挨拶して去っていく後ろ姿まで美しい人になってもらいたいですね。 
事前に教えてもらっていたのですが「から騒ぎ」は主筋(ベネディック小出×ビアトリス高橋)、復筋(クローディオ長谷川×ヒアロー月川)の恋愛喜劇です。でも、どうしても復筋のほうが主筋を喰ってメインに見えます。シェイクスピアが復筋のほうをおもしろく書いてしまったのだそうです。小出くんより長谷川くんが目立ってしまう(演技経験の差もあり)のもそのせいなのね。
オールメールの女役ですが、ヒアローを演じた月川裕貴くんの女役は蜷川作品で見慣れていましたが、今回は高橋一生くん(ビアトリス)がめちゃめちゃキュートで可愛かった。シチリアの太陽のように明るく、そしてシニカルで頭の回転が速く、美しくて気が強いけれど実は奥手なビアトリスとベネディック小出のセリフのキャッチボールはとても楽しかったわ。小出くんは一生くんにリードされていましたね〜それも女性のビアトリスのほうが男性より上手な感じでいい具合でした。でも、恋する貴公子クローディオ長谷川のデレデレっぷりがいちばん面白かったかなー。キスは、クローディオのキスより、ベネディックのキスのほうが好きでしたよ。かわいかったわ〜あれは小出くんの素っぽい(←私の想像?妄想です。笑)。ドン・ペドロ(吉田鋼太郎さん)のキスはびっくりしました。←吉田さんもかなりラブリーキャラです。吉田さんありきの「から騒ぎ」だったのでは・・と思うほど。ラブリーといえば、乳母のマーガレット(岡田正さん)もさいこーにキュートです。
 微妙な階級のことも事前に聞いていた(クローディオはドン・ジョンの部下だけど伯爵でもある彼は、ベネディックより階級が少し上。今回の場合、女の子の方が階級が少し下らしい。)のですが 、彼らはそれにハマっていました。ナイスキャスティングです( ̄ー ̄☆
私は通路側の席だったのでそこを走る役者さんたちの息づかいや風をきる音など聞こえました。妹尾さん演じる警官隊の親分なんて「ずんちゃ、ずんちゃ」って小声で言って走ってましたよ。
←貴公子クローディオからサインいただきましたーーー!!とても素敵でした。握手までしちゃったせいで好感度かなりアップです(お手手サラサラでした)。クローディオ役の長谷川博己くんは、蜷川作品4作目ですが蜷川さんの「冬物語」でも重要な役をやるみたいです。最近ではドラマ「四つの嘘」に研修医役で出ていました。そう、最終回でおいしいとこを持っていった、あの気持ち悪い奴です(笑)あのニヤリは舞台でも健在でした。彼は立ち姿がとてもきれいで絵になります。お芝居をたくさん観ている友人たちはとっくにそれに気づいていたようで、今回みんな長谷川くん観たさでの観劇でした。私は今日気づきましたよ!!
http://mv-theatrix.eplus2.jp/article/98318246.html