ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『2人の夫とわたしの事情』★★★★★ 

 
戦士したはずの夫が突然帰ってきた。戦争に翻弄された "けなげな妻"と "2人の夫たち" 、映画だと多分切ない物語になっちゃうんだけど、そこは喜劇。笑った〜とても面白かったです。でね、『2人の夫とわたしの事情』というタイトルがいい!!そう、夫(たち)と妻のではなく “わたしの事情” なんです。そういう芝居でした。面白かったのよ!
松たか子演じる「世界は自分のために回っている」と信じて疑わないタイプの妻ヴィクトリアがね、チャーミングなんですよ。可愛くて天真爛漫で男性が自分を好きになるのは当然と思っていて、自分勝手なんだけど、自分の寝室と子ども部屋の暖炉にしか石炭をくべない倹約家。でも毎週自宅にネイリストを呼ぶほど自分にはお金をかけ、お金持ちのペイトンさんにモーションかけています。多分次の夫は誰でもよくて、自分の家ではすぐにやめてしまうコックやメイドが、ちゃんといて今まで通り自分は何もしないでいい生活をしたいだけのような・・。そんなふうにヴィクトリアは“わたし”の道をぐんぐん行くから潔くてね。そのヴィクトリアに振り回される二人の夫もチャーミングなのです。可愛い妻に振り回されるのがまんざらでもない様子で、でも、ホントは手に余る妻に不満もあり夫の座は譲り合うのです。自分からは捨てられないんですよね。
まわりの役者さんたちもみんな上手いので、ビシッと収まっていて気持ちよかった。
招待券で2階でしたがA列だったので見やすくて、一緒に行った友だち(KERAさんの芝居も沢山観ている)も「おもしろかった」と言ってくれたので、よかったーー。2時間40分だけど途中10分の休憩が2回、ちょっと集中とぎれそうなときに入るので楽でした〜。自分で買ったチケット(ポイント使ったので半額以下)を誰かに譲ってもいいと思っていたけれど、舞台に近い席だし、観てもいいかな(笑)
作:W.サマセット・モーム、演出・上演台本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ『愛する夫を戦争で失った妻(松たか子)。 戦争未亡人となった彼女は夫の親友(渡辺徹)の求愛を受け、めでたく再婚する。そこに、戦死したはずの“前” 夫(段田安則)がひょっこり生還! 戦争に翻弄された “けなげな妻”と “2人の夫たち” の涙なくしては語れない大悲劇・・・・・・と思いきや、“故国に残した愛しき人(HOME&BEAUTY)”の諸事情には、愛情だけでは計れない様々な思惑が絡まって、そして、事態は予想外の方向へ!?文豪サマセット・モームのシニカルな視点が冴える“ある結婚をめぐる事情”。1919年発表とは思えない、ぶっ飛んだシチュエーションで展開する異色コメディが、鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチの手で日本初登場。』