ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、亀田佳明、成河、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠。B'z,BrandonBoyd&Incubus,JasonMraz,Eddie Redmayne,Timothée Chalamet

空想組曲 vol.8『ドロシーの帰還』★★★★☆ 

  今日は赤坂で空想組曲の『ドロシーの帰還』観てきました。空想組曲は修哉くんたちの『坂口安吾 白痴』の脚本(←素晴らしい)も書かれたほさかようさん主宰の劇団です。私は『組曲空想』から好きになったので、今回も楽しみにしていました。
 ザ・ファンタジーでした。すごく面白かったです。ファンタジーにダークさはつきものなので、とんでもない暗さは感じませんでしたが、凄い緻密な2時間でした・・足掻いている現実と本(オズの魔法使い)の世界がふんだんに絡み合っているのにゾクゾクとストレートに伝わってきたのは役者さんたちの技量なんですね。
暗い部分を見せられたし、脳の無いカカシ・心の無いブリキ・勇気のないライオン、あっそうじゃない・・直人・金秀・小枝と、実は深い闇をかかえていたるりこはどうなるのかな〜〜とあれこれ考えますが、ラストで高峰ドロシーに手紙を出したのがるりこだとわかった場面で涙が溢れました。そして、思いの外清々しい気持ちで劇場を出た私です。それがどうしようもなくダークでも何か足りなくても明日に向かって生きていくひとたちを描いた舞台って気持ちいいな。
作家の人、とくにスランプの人には刺さる台詞が多かったでしょう。私も分岐点などで本や歌の歌詞に影響を受けたこと多かったな〜って改めて思い出しました。作家ってもしかしたら、どんなものづくりする人より、人の人生に関わる職業なのかもね(自分の思わぬ方向にいったとしても)。それだけ覚悟して書いていかなければいけないし、自分に迷ったとき原点に返ることも必要なんだろうな。私たちは好きとか嫌いとか小枝の恋人のように言いたい放題言うけれど、自分の内面をも絞り出す大変な仕事だな〜って思ってしまった。自分の絶望とか誰にぶつけるんだろう。呪い(いろんな意味で)の言葉を文字にする?未来に縛られる覚悟を持って?  そのときには「がんばんなよ」って言ってくれるひとにそばにいてほしいな。
「だから売れないんだ」と言われた金秀が「何が悪い」「自分の中にあるものを形にして」「足りないものをみんなで集まって探して」と叫びのように言ったシーンも印象的。でも「自分が好きだからちゃんと読め」と強要するのは・・そういう気持ちはわかるけれど、いろんな読者がいて当然だからね、と思う。あの4人は傍から見ると同じ作家を好きな同士で集まっていたら足りないものは見つからないんじゃないかなとも思ってしまうけれど、でも必要なんだろうな、「がんばんなよ」って背中押してくれる仲間が・・.
るりこが小枝との昔の約束を果たしたシーンが好きだな。不器用な二人だけど・・いい仲間だな〜。小枝は本当の自分を見ようとしてくれない恋人と別れるだろうけれど、金秀は絵本を好きだと言ってくれたウェイトレスさんとうまくいけばいいな。「がんばんなよ」って言ってくれるひとだもの。
高峰ドロシーの本で悲惨な殺人事件があった後ドロシーさんに作家はやめろ、二度と帰ってくるなと言った父、10年間娘の物語を読んでいたから、自分で書いたものには自分で責任をとろうと10年書き続けたドロシーさんのことを理解していたのでしょうね。
ただ、高峰ドロシーさんと父親の関係がわかりにくかった(私だけ?)のは二人の見た目の年齢かな?ドロシーさんっていくつの設定なんだろう。 ブリキとかかしとライオンは「ときわ荘」の仲間とうまくリンクしていたけれど(私は物語が進むうちに現実の彼らと『オズの魔法使い』の世界が同化してしまった)、父親とオズをリンクさせているのが私にはわかりにくかったです。
あとは、だまし絵のような舞台美術がよかったな〜。劇場に入って、あれを見たときに心掴まれました!松本わかこさんの仕事ですね。素晴らしいな〜覚えておこう。
そしてやっぱり斎藤陽介くん(畑山直人/かかし)に目がいってしまったMagnoliaridaでした。かわいかったな、うん(*^.^*) ていうか・・なかなか役者さんたちの名前を覚えられないのです。
でもね・・今年は早々に観た三谷さんの『ろくでなし啄木』と長塚さんの『浮標(ブイ)』が「好き度★×5」なので、その後の★に困ってまーす:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
 保坂葉さんの小説『僕らの声の届かない場所』を買いました。お芝居のDVDが欲しかったのですが、売り切れていました(T_T)
 赤坂見附のKinokuniyaで「プチ風せん」←ハマってます。