ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

こまつ座&ホリプロ『木の上の軍隊』★★★★★  

竜っちゃん友たちとランチ   ロビーラウンジにて。これはコーヒーがついて1,260円のランチ。
いつもはドゥ マゴに行くのだけれど、リーズナブルなパスタランチなどがなくなっていました。店内ランチ 1,890円って・・ミュージアムコース3,675円って・・コーヒーもポットサービスではなくなってしまったようです。クイーンアリスから福田シェフを迎えて、新しいドゥ マゴ パリとして生まれ変わったようです。高いお芝居観るんだからランチは気軽に食べたいよね〜。http://www.bunkamura.co.jp/magots/
 ハワイのお土産ありがと〜。
 『木の上の軍隊』の座席表です。舞台がせり出しているのでE列なのに3列目でした。なので・・前すぎて首が疲れたーーー(と贅沢を言ってみる)けれども角刈りの竜っちゃんを堪能できました。けっこう似合っていました。
舞台は沖縄県伊江島にあるガジュマルの木。見事な美術です。美術は松井るみさん*。そこで戦争が終わったのを知らぬまま2年もの間、ガジュマルの木の上で敵を見張りながら生活をする日本兵のお話です。今回始めてコクーンを狭いと思った舞台美術でした。http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=204
 ←これです。このまんま! http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/
*『4 four』『TOPDOG/UNDERDOG』『ハムレット』『春琴』も松井るみさん。竜っちゃんとは『エレファントマン』 以来?なのですごく楽しみでした。
原案:井上ひさし 作:蓬莱竜太 演出:栗山民也 キャスト:藤原竜也(新兵)山西 惇(上官)片平なぎさ(片平さんはストーリーテラーをつとめるガジュマルの木の精霊でもありました)
 
日本人の心にズシンと響く作品です。沖縄にはまだ米軍基地が置かれていますから・・。後半の二人が初めて衝突する場面(そこからの竜っちゃんの凄まじさったらもう・・)「意味なく敵国に差し出された島」「勝手に都合よく終わらせてもらいたくない」「(日本を)信じています。選べないから信じるしかない」「どこに帰ればいいんですか?」と新兵が言いました。新兵(竜っちゃん)の言葉が刺さります。沖縄の人たちの叫びでした。上官(山西さん)は2年も一緒にいたのに新兵の心の中を理解できないまま、本土に戻っていきました。敵国の野営地がなかったころの景色を知っているものと知らないもの。知らないままで理解出来ないままで終わらせようとしないでください。「取り戻してもらいますよ」という叫び。
原案は井上センセだけど、あきらかに蓬莱さんの作品になっていました。時間もね。長さは蓬莱さん(笑) それも良かった。
   『矛盾の戦いは終わらない。終わってもなお、続く』
ラストは井上作品っぽかった。というか、井上さんの思いが伝わってきました(と思う)。とても良かったです。
   戦闘機や爆撃の音が響く。
   プロペラ機の風が色々なものを巻き上げる。
   その突風の中、木の上で二人はそれを見ている。
 ( ↑ 戯曲が載っている「すばる」からト書き引用。本を買っていないので立ち読みしてきました 笑)
 
   『守られながら怯え 怯えながらすがりすがりながら憎み 憎みながら信じる もうぐちゃぐちゃなんです』
 
蓬莱さんの・・それはそうですよね。井上センセが生前に遺した資料やメモをもとに蓬莱さんが脚本を書き下ろしたのですから。すごいプレッシャーだっただろうなぁ・・。いつかモダンスイマーズでこの作品をやってほしいと思いました。
 
音楽はヴィオラ生演奏だけ。やさしい音色に心に沁みます。強い音色に心が痛みます。決して諦めない音でした。(奏者:徳高真奈美さん。栗山民也さんの舞台によく参加されているようです)http://zhongtiqin.island.ac/players/tokudaka_manami.html
 
『本土からやって来た上官(山西)は軍人としてのプライドが高く、島の若者である新兵(藤原)の能天気な言動が気に入らない。お互いを理解できず、いがみ合いながらも二人は「国のために敵と戦う」という目的を遂行しようとする。だが、上官は戦争に負けたことに感づいても木から下りようとせず「生き恥をさらしたくない」と、非国民扱いされることを恐れる。』(東京新聞http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2013032802000147.html
 
基地問題などで今も揺れる沖縄は、歴史を描いても現在とリンクする。その難しさもあり、過去の上演計画は幾度も頓挫した。「栗ちゃんやろうね、必ず書くからね」。そう言い続けた井上は「劇場の真ん中にガジュマルを」「2人が最後に木になれたら」と二つの要望を語っていた』と朝日新聞に載っていました。(西本ゆかさん)http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201304040401.html
 
以下に山西惇さんのtweetも載せさせていただきます。
『「木の上の軍隊」は1990年4月に千田是也さん演出で上演予定だったが、井上さんの台本が出来ず公演中止となった。その時はすまけいさんと市川勇さんの二人芝居の予定だったそうだ。』**
『そして2010年に栗山民也さんの演出で藤原竜也さん吉田鋼太郎さん北村有起哉さんの三人芝居として企画されたが、井上さんがお亡くなりになり、黙阿弥オペラに差し替えられた。「木の上の軍隊」が井上ひさしさんの幻の新作と呼ばれる所以だ。』https://twitter.com/8024atc/status/320039667070275584
パンフレット買ってくればよかったかな・・・。
 
**『芝居のモデルとなったのは、2人の日本兵だ。沖縄本島北部から北西約9キロの伊江島で、1945年4月の米軍上陸から敗戦後の47年3月まで、ガジュマルの木の上で生きのびた。』(asahi.com) http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY201006260169.html
写真がいっぱい。http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2013/04/05_05.php
 
ここ数年の竜っちゃんは蜷川さん演出じゃないほうが好きだなーー。栗山さん、ありがとう。
あ、余談ですが井上ひさしセンセは竜也くんのファンクラブ会員だったんですよね〜。
 竜っちゃん・吉田鋼太郎さん・北村有起哉さん版のポスターと写真。井上センセが病気と闘うために執筆を断念した新作でした。このキャストを観るとこちらも本当に観たかった!!今回の蓬莱さんのもよかったけれども!!(私、蓬莱さん好きですから)
あ、いろいろ思い出しました。それで栗山民也さん演出、竜っちゃん・鋼太郎さん・有起哉さん出演の『黙阿彌オペラ』が追悼公演だったんだった! あーー五郎蔵が懐かしいね。
     「ご恩送り」
 
新兵と上官の関係は沖縄にある基地問題だけじゃなく、東日本大震災がまだまだ震災後じゃない問題や、拉致問題とかも思い出さずにいられません。