ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

ホリプロ『わたしを離さないで/NEVER LET ME GO』1回目★★★★★ 


 さい芸についてすぐ蜷川さんにお会いしたので、ちょっとお話。聞きたかったことを聞いてみました。俊太郎くんとも話せたので、その話は後ほど。『わたしを離さないで』とは全く関係ないので違うときに。
 
「素晴らしかった。長さは感じないし、必要な時間だったと思う。映画ではあっさりしていた場面が協調されていて、ここを協調してほしかったと思っていた自分に気づかされたり‥。主役三人の演技は絶品。お稽古中も蜷川さんが絶賛して一度も怒らなかったというのだから。」←舞台終了後にtweet
 
素晴らしい作品でした。蜷川さんの作品は好きなものが多いですが、この『わたしを離さないで』は、ひさしぶりに私の中でヒットしました。『カリギュラ』もですが、大好き。こんなにも心に沁みる舞台はひさしぶり。
 
『原作は英国最高の文学賞であるブッカー賞を受賞するなど、現代英文学の分野で、世界が今、最も注目している作家のひとりであるカズオ・イシグロの傑作長編小説「Never Let Me Go(邦題;わたしを離さないで)」。世界的なベストセラーとなっただけでなく、2010年にはキャリー・マリガン(映画「17歳の肖像」「華麗なるギャッツビー」など)、アンドリュー・ガーフィールド(映画「ソーシャル・ネットワーク」など)、キーラ・ナイトレイ(映画「スターウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」など)といった今をときめく若手俳優たちの出演で映画化され、話題となった作品』http://hpot.jp/stage/watashi
原作;カズオ・イシグロ 演出;蜷川幸雄 脚本;倉持裕 音楽;阿部海太郎
 
Sigur Rós/Vakaではじまった(プロローグはピアノ曲)・・ということは「海辺のカフカ」では使わないよね・・。←untitled #1 (vaka)のMVを久しぶりに見たら・・『わたしを離さないで』にはまっているわ。
 
主役の3人が役にピッタリ。原作を知っていたので、教室で遊ぶ男子生徒たちの中から浮かび上がった水色のポロシャツを着た美しい男の子(もとむ:三浦涼介)を見つけた瞬間、胸が苦しくて寂寥感でいっぱいになってしまいました。無垢に輝く透明感。内にある寂しさ。同時に最後まで観る覚悟をしたわけです。舞台はヘールシャム寄宿舎。設定は日本。思春期の彼らは普通の学生生活を過ごしているように見えましたが、ある出来事で冬子先生に「あなたがたは特別」だと叱られたことから、じわりじわりと物語が始まって行きました。
大きな窓、揺れるカーテンの向こうから波の音がする。そっとささやくように、寄り添うように。
 
流れ着いた、いつかのものたちが、風で舞い上がる宝岬。探し物はみつかりましたか?
浜辺に打ち上げられた難破船は彼ら。心があること、愛があることを証明するためにもとむが描いたキリンの絵に色がないことが切なかった。自分が自分のものではない。運命を先延ばしに出来なかった魂の叫びのラストシーンに胸が張り裂けそうになりました。 
Never let me go あなたは私を置き去りになんてしないでしょう? わたしを離さないで
  「いえ、母親が赤ちゃんに言っているのよ。私を離さないでって」
ネクストの堀 源起くんもよかった。
 
朝日新聞(井上秀樹さん)にあった、この通りの3人。『自身の役柄について、鈴を演じる木村は「常に自分の身を守って、簡単に人を傷つけてしまう。すごく不器用で人間らしい女の子」。もとむ役の三浦は「思ったことを表現できない、つかみどころのない少年」、八尋役の多部は「意思はあるけど自己主張をしない、静かな人」と言い表す。』『三浦が「鈴は、八尋の前で、自分の哀れなところを見せる瞬間がある。そこは八尋がほっとけないんじゃない?」と問うと、多部は「みんなのことほっとけないんだよ、八尋は。特に2人は気になる」と答える。』http://digital.asahi.com/articles/DA3S11102433.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11102433
 
 もう1回観に行くので、そのときにまた。三浦りょんりょんちゃんは『MATERIAL』からのファン(←ですが、好きですが若い子向けのイベントには行かれなかったので舞台出演だと嬉しい)、多部ちゃんは『農業少女』からのファンの私。もう自分の目に狂いがなかったと実感しました。大げさではなく、それくらい自信持てました(笑)
 
シェイクスピアも好きだけれど、「海辺のカフカ」にしろ、蜷川さんがこういう文学作品を演出するの、好きだなぁ。同時にこのSF作品をイキウメの前川さん演出でも観てみたいな。