『ステージは世界 欧州の舞台芸術祭で注目の2人に聞く』(ベルリン=井上秀樹さん)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11186645.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11186645
タニノクロウさん(庭劇団ペニノ主宰)『庭劇団ペニノは今春、「大きなトランクの中の箱」を携え、欧州を巡った』『現実と幻想が自在に行き交う空間を支えるのは、妖しく精巧な舞台美術だ。終演後、観客の興味も「誰がデザインしたか」「どうつくったのか」と美術に集中した。ただ、作品を言葉にするときは気をつけているという。「何でも説明できるわけではない」からだ」
高嶺格さん(演出家・美術家)『暗室のような部屋の壁に、年月日と地名が羅列される。米国と旧ソ連が大多数で、国家が核実験をした2千回以上の膨大な記録と知れる。そこに、実験の時期に撮影された作家の家族たちの平和な集合写真も。見る人は自然と無口になる。演出家で美術家の高嶺格(ただす)が、東京電力福島第一原発事故を機につくった空間展示「ジャパン・シンドローム」だ』
『昔の日々』劇評(徳永京子さん)『複数の場所や時間がデリケートに交錯する物語は難解だが、それ以上に問題なのは、全体に緩急が弱く、人物の接近が物理的な距離に留まることだ。ルボーお得意の、ベルベットのクッションやカーテンなど空間に親密感をもたらす布の小道具の魔法も効かないし、おびただしい煙草の煙も空しく宙に消える。集中力を促し、余韻をもたらす美術(伊藤雅子)の貢献度は高いが、この戯曲と演出にこの会場は広過ぎた。終演後に演出意図を記した紙が配布されるが、それは作品として示されるべきだろう。』 http://www.asahi.com/articles/DA3S11186646.html