ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

今日の朝日夕刊 

 蜷川さんの「演出家の独り言」は戦友 扇田昭彦さんへの追悼。
『扇田さんと僕は良いけんか相手でした。彼の意見に同調できる時もあれば、相反することもたくさんありました。でも、それはお互いの友情の上に成り立つ言い合いだったと思います。』
初めて扇田さんにお会いしたのは1969年、僕が清水邦夫作「真情あふるる軽薄さ」で演出家としてデビューした、劇場「アートシアター新宿文化」の前でした。映画上映が終わってからの公演でしたから、劇場前に張ってある鎖に腰掛け、僕は上映終了を待っていたんですね。その時、当時朝日新聞の記者だった彼が「朝日の扇田です」と言って現れました。今でも新鮮に思い出します。』『それ以来、同時代の演劇という戦場を駆け抜ける戦友として、お互いに論争し、競い合ってきました。』
『なんという大事な友人を失ったのか、という悔しい思いでいっぱいです。もう少し、僕らは共に切磋琢磨する論陣をはって、この時代を共有したかった。』『扇田さん、安らかに。』http://digital.asahi.com/articles/DA3S11781073.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11781073
 
レ・ミゼラブル」出演の吉原光夫さんの吉原光夫さんのインタビュー『光と影、2役に向き合う』(西本ゆかさん)
『バルジャンは福井晶一、ヤン・ジュンモとのトリプルキャスト。宿敵ジャベールも4人の役者、と交代で務めるが、2役を共に演じるのは、今回は吉原だけだ。「2人は、1人の人間の光と影。一方を演じる僕を、常に他方が見つめている。演じるほどに、『お前はなぜ』と問う声が聞こえるようで苦しいが、役者としてはこの上ない栄養になる」ととらえる。』『旧演出版では冒頭から善性がちらつく純白の存在だったバルジャンは、新演出版では野良犬のような男として現れ、愛を知り変化する。髪一筋乱さぬ秩序を体現していたジャベールは、新版ではバルジャンへの執着が深まるほどに泥の中をはいずり食らいつく、犬の様相で描かれる。2人が「特別な人」から、「普通の人」により近づく。』『舞台は19世紀フランスだが、「本質は日本社会のどこでも起こり得ること」と吉原。「原作者のユゴーがいう通り『この世に無知と貧困ある限り、この種の物語は必要』なのだと思う。だからこそ今もこの舞台が求められ、上演が続くのでしょう」』
 
私も超おすすめ、の映画「追憶と、踊りながら」(評 稲垣都々世さん)
『西洋風のレトロな内装の部屋に、李香蘭が歌う「夜来香」が流れる。ここはロンドンにある介護施設の一室。初老のカンボジア系中国人ジュン(キン・フー監督の武侠映画のヒロインで名高いチェン・ペイペイ)が、息子カイに愚痴をこぼしている。しかし、職員が部屋に入ってくるとカイは画面から消え、これが過去の思い出だとわかる。』
『監督・脚本のホン・カウは、1975年カンボジア生まれ。ポル・ポト政権から逃れてロンドンに移住した。これは母への思いを重ねた長編第1作。デビュー作特有のみずみずしさと、個人的な体験に根差した親密さが濃厚に漂っている。』『ここではすべてが情緒につながる。切ない物語、誠実な登場人物、俳優の繊細な演技。沈んだ色調の映像と、しっとりした雰囲気。音楽、ダンスからカメラの動き、冒頭シーンのような過去の挿入方法にいたるまでこだわりぬいたリズム。そして、監督の豊かな感性と、上品で慎み深い演出。久しぶりに、こんなに美しい映画を見た』