園子温監督の『ひそひそ星』を観てきました。
2016年5月シネマカリテにて公開が今日決定したそうです。ワタリウム美術館にて福島関連の展覧会も。
第40回トロント国際映画祭で高く評価され、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した園子温監督の自主映画。http://news.livedoor.com/article/detail/10680355/
『主人公のアンドロイド・鈴木洋子は、宇宙船に乗り静寂に包まれ広大な宇宙空間で果てしない旅を続けている。彼女はいくつもの寂しい星に降り立っては、滅びゆく絶滅種と認定されている人類の一人一人に贈り物を届けてゆく。』
『震災の影響が残る福島県の富岡町・南相馬市・浪江町で撮影された本作は、製作と脚本を園監督自身が務め、監督の妻で女優の神楽坂恵が主人公・鈴木洋子を、映画『中学生円山』にも出演したミュージシャン・遠藤賢司、ベテラン女優の森康子が絶滅寸前の人類を演じる。』
静かで美しい映画でした。モノクロのSF作品。一般的に知られている園子温監督作品とまたカラーが違いました。ついつか撮りたいと引っ越しを重ねても大切に持っていた、25年前に段ボールいっぱいになるほどの絵コンテを描いていた作品で、宇宙船のセットは絵コンテと同じだけど、撮影場所が震災後の「福島」となっていました。昨年撮影したそうで、そのときからも刻々と景色が変わっている福島。震災を終わらせたくなかったのだと思います。タルコフスキーの映画とイメージがだぶったけれど、終末感はなくて希望が見えた。
11年後の3月20日、日本はどんな国になっているでしょうか。
主人公・鈴木洋子が訪れた最後の星(おそらく地球)。走馬灯のようなその演出に泣きそうになる。陽炎のような人生がそこに。このとき、私はミュージカル『100万回生きたねこ』の二幕、とらねこと白ねこが見る人生の演出を思い出していました。
The Whispering Star English trailer
「ひそひそ星」海外版ポスタービジュアル (c)SION PRODUCTION ←今日観た映画とちょっとイメージ違うなぁ。http://natalie.mu/eiga/news/160687
(22日追記)「園子温が妻・神楽坂恵とのタッグ作『ひそひそ星』で語った福島への思い」http://news.walkerplus.com/article/68419/