フィリップ・ドゥクフレのインタビュー http://dancedition.com/post-545/
ドゥクフレ「何故こういう作品をつくったかというと、純粋に好きだから。私がつくりたいのは、自分が観たいと思う作品です。作品を構成する要素はいくつかあって、この創作をはじめたのがピナ・バウシュの亡くなったすぐ後だったので、まずは彼女へのオマージュが入っています。もうひとつの欲求は、ミュージカルを扱ってみるということです。ミュージカルというスペクタクルは、私にとってさまざまな芸術が明るい形でミックスされたもの。あともうひとつ、多彩なカルチャーや個性を集めた作品をつくりたいという想いがありました。」
「ジャン・ラバスが手がけた舞台美術もとてもうつくしい。インスピレーションのもとになっているのは、ドイツの表現主義の映画『カリガリ博士』。それぞれのシーンが過去の映画に由来していて、例えば最初はフレッド・アステアとジーン・ケリーの映画を要素として入れています。とあるシークエンスは『ウエスト・サイド・ストーリー』を参照していて、それはみなさんもきっと気付くでしょう。ブライアン・デ・パルマの『ファントム・オブ・パラダイス』のイメージも取り入れています。これは私が15歳のころ夢中になっていた映画です。バスビー・バークレーなど、1920〜1930年代のアメリカのミュージカル映画の振付家の影響も受けています。」