ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

「NODA・MAP「足跡姫」にみる勘三郎への思い」

(内田洋一さん)(撮影 篠山紀信さん)http://style.nikkei.com/article/DGXMZO12500650T00C17A2000000?channel=DF280120166618
「休憩を含め2時間40分の上演時間はNODA・MAPの舞台としては長い方で、初期の作風を思わせる言葉遊びや七五調がふんだん。将軍暗殺をはかる由井正雪の乱、歌舞伎狂言「伊達の十役」、日本刀を作るたたら製鉄などが織り込まれ、趣向は過剰なほど。映写される現代の戦争と江戸の騒乱を結ぶ演出、御簾(みす)ごしの見えない権力と芸能を対比する視点などをちりばめる作劇も複雑だった。古田新太演じる「死体」なる役まである。観客からすれば難易度の高い観劇になるが、アウトローたちが秩序にからめとられまいと体をはって躍動するのが面白い。演劇のパワーの源に迫る舞台の工夫を見ていけば、知的な刺激も味わえる。」
「なにより忍者のように軽快、それでいてコケティッシュ宮沢りえが魅力的だ。三、四代目を名のるあやふやな阿国の後継者で、足跡をアシ・アートに換える足跡姫の力がとりついている。刀をふりまわし、不条理な何かと懸命に闘う姿が、宮沢りえのはかないシルエットに映りでる。一面の花に覆われた、どこか祭壇のような舞台で、妻夫木聡の演じる「淋しがり屋サルワカ」が足跡姫の末期の声を聞くシーンがいい。近年の野田戯曲の中でも屈指のセリフがつづく。」
 
「野田によると、病床の勘三郎は医療器具でがんじがらめの姿を「舞台にしてよ」と思いを託していた。勘三郎の葬儀で坂東三津五郎(その後死去)が遺影に呼びかけた弔辞も心に残って消えなかったという。「肉体の芸術ってつらいね」。消えてなくなる演劇の残酷さを三津五郎は語ったが、あえて「足跡姫」は肉体の記憶を継承する演劇の不思議を劇化したといえる。」
 
長文。内田さんの愛のある文章はもっともっと続きます。