東京芸術劇場プレイハウス 今日はI列のセンターあたり。
素晴らしいなぁ。
原発をイメージさせる煙突…
難民がボートで漂着する… 受け入れる人、受け入れない人たち…
あの広い空間を全方向にあんな風に生かせる演出に圧巻以外の言葉が見つからないほど。
あの白い大きな板を回していた意味は何だろう、とか聞きたいことは山ほどあるけれど。
私の青柳いづみちゃん大好きは変わらず。
と、感想Tweet。いづみちゃんの力強い言葉に涙が溢れた。
「目に奥行きがある」と藤田さんが言っていた宮沢氷魚。とてもいい佇まいをしていた。
http://mum-gypsy.com/news/4195
http://geigeki-fujita2018.com
作・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
出演:宮沢氷魚 青柳いづみ 豊田エリー / 川崎ゆり子 佐々木美奈 長谷川洋子 石井亮介 尾野島慎太朗 辻本達也 中島広隆 波佐谷聡 船津健太 山本直寛 / 中嶋朋子
「この作品を、この空間にて、描く必要をかんじているのは、現在だからだろう。しかしそれは、現在という時間を過ごしていれば、自然と、必然的に揺りだされるもので。現在という空気のなかで、深く呼吸するように、しかしこのことだけをかんがえて、つくっていこうと準備している。これは、寓話でも神話でもなくて、ほんとうのことだとおもっている。現在という、ほんとうのことを、舞台のうえで繰り広げていきたい。」藤田貴大
あらすじ
土地は、
ボートによって発見された。流れ着いた人々は、そこで暮らし、子孫を繁栄させた。
現在も、
海岸にはときどき、ボートが漂着する。しかし、人々はそのことにもう関心がない。
ある日、
上空は、ボートで埋め尽くされた。その意味を知らないまま、人々は慌てふためく。
人々は、
ふたたび、ボートに乗って。ここではない土地を、海より向こうを目指すのだった。
prologue /海岸「海岸から始まって 海岸で終わるのは だれもがはじめから、知っている この海岸には、船着き場があって つまりボートが停まっている かつて誰かが乗っていた、ボート」
chapter 1 /漂着「いくつも流れ着く 見慣れない文字と 誰も乗っていないボートについて 海岸に漂着するそれらのこと わたしたちはほどんど関心がない 無関係だとおもっているから」
chapter 2 /上空「なんともない日の 日のたかい時刻に あの日を境に、なにもかもすべて 上空が、ボートで埋め尽くされた それは単純にいって脅威だったし ここの人々の生活が、まるで」
chapter 3 /市街「あの日から市街は まるで、変わった あたかもそれは当然のことのよう こうなってみたときにわかるのは そもそもひとってこうだった ということなのかもしれない」
chapter 4 /水葬「死んでしまったら 海へ流してしまう この土地ではそうなっているのだ 海の向こう側、見えなくなるまで 沖へ流されていくボートを見送る それは、妙に静かな時間だった」
chapter 5 /灯台「放たれる、灯りで いまがいつなのか ここがどこなのか迷わないように 灯台には灯台守がひとりだけいる 彼はどこへ向けて灯しているのか その一点の灯りを、どこへ?」
epilogue /海原「わかってはいたが なんにも見えない 暗闇のなかに、ただ浮かんでいる わたしたちはなんなのだろう どこからやってきて どこへいくのだろう なんにもわかっていなかった」
照明:富山貴之 音響:田鹿充 映像:召田実子 衣裳:suzuki takayuki ヘアメイク:大宝みゆき
舞台監督:森山香緒梨 宣伝美術:名久井直子 宣伝写真:井上佐由紀
「空と海、舞台と客席、過去と現在、現在と未来、生と死、私と“あなた”。その間には本当に境界線があるのか、そして境界を越えた先には何があるのか。ラストで立ち上がるのは、観客それぞれの心に焼き付いた、自身の忘れがたい風景かもしれない。」http://geigeki-fujita2018.com