「−私は知っている。あなた方があそこで生きたまま切り刻まれたことを。−
1990年、ある老医師が死の床にあった。その枕元に過去の亡霊が姿を現す。
旧満州ハルビン市郊外ピンファン。そこで蓄積された『遺産』は決して清算できない歴史の深い闇である。日本人はこの『遺産』とどう向き合えばいいのだろうか?」
第30回公演『遺産』 http://www.geki-choco.com/next_stage/30th/
【脚本】古川健(劇団チョコレートケーキ)
【演出】日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
【出演】浅井伸治/岡本篤/西尾友樹(以上、劇団チョコレートケーキ)
足立英/佐瀬弘幸/林竜三/原口健太郎(劇団桟敷童子)/日比野線/渡邊りょう(悪い芝居) 李 丹
舞台美術:鎌田朋子 照明:松本大介(松本デザイン室) 音響:佐久間 修一(POCO) 衣装:藤田 友
渡邊 りょうくんのTweet「あと3日で終わる劇団チョコレートケーキ「遺産」作品の中で繋がっていくモノとして遺産がありますが、そもそも演じてる僕らにこの遺産が渡ってきてそれがお客さんにも渡っていくんだなと思います。たまたま今演劇を通過しているのだなと。遺産の重さを日々感じます。」https://twitter.com/tenpariQ/status/1061998597414088705
すみだパークスタジオ倉へ。9月に上演された『ドキュメンタリー』とつながっていますが、この『遺産』 だけでも大丈夫です。
ああ、これ時間作って観に行ってほしいです。千秋楽以外はまだ予約出来るみたいです。本当に素晴らしかったから。とてもキツいけれど目を背けず観てほしい。彼らが残した「遺産」の真実を知ることが大事なんだと思う。
『遺産』冒頭、目の前に白衣姿の岡本さんが浮かび上がったときに息が出来ないくらい動揺して、最後まで観る覚悟が必要なんだなとなる。
いつもの劇団チョコレートケーキ以上に直球で、最後まで隙間なく来られて、すごい疲労感。
どの役もそれぞれ本当に大変で、どちらも精神やられてしまいそうだなぁ。
満州で「命令に従っただけ」「医学の進歩や組織への貢献」を言い訳に実験にのめりこむ医師の「研究者としても好奇心」という業。その医師らは日本に戻っても責任を問われることなく医学界に戻った。
満州にいた誰もが「天皇陛下のために」と言い聞かせながらそこにいるしかなかった隊員たち、仕事の内容を知らないで働きに来て実験の手伝いから死体の処理、731部隊の後始末をさせられた若者や少年とか、逃げられなかった逃げなかった彼ら。
家族の元に帰ることなく死んでいった捕虜。生きたまま人体実験の「材料」となった多くの「マルタ」と呼ばれた大勢の犠牲者(数は3千人以上)に思いを馳せることとなりました。
野田MAPの『エッグ』よりきつかった。731部隊のことは『エッグ』の時に資料で読んでショックを受けたのだけれど・・。
劇団チョコレートケーキ 第30回公演『遺産』感想まとめ https://togetter.com/li/1286007
《参考に》NHKスペシャルで放送された番組のページです。
「エリート医学者はなぜ人体実験に手を染めたのか?」https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20170915/index.html
劇場でお会いした松岡和子先生も「本当に素晴らしかったわね!」っておっしゃっていました。
なぁんと亀田佳明さまもいらしてた!!観劇前にファン友さんとお会いして、亀田さんの話をしていたので心の中で「きゃっ」となったわ〜〜(笑)
石丸幹二さまもいらしてました〜。17歳の川口少年役の足立英くん https://twitter.com/SuguruAdachi/status/1061966374052888576