シアターウエストにて文学座の『ガラスの動物園』観劇。素晴らしかった!
あの美術(父親の)には驚いた!
新訳はあまりにも現代でそして身近。登場人物4人プラス父親全員の比重が同じに感じる演出も好み。今回のジムの存在に私(ローラだけでなく)は救われたし、16年不在の父親のその存在に抗えないトムだった。亀田さんの繊細な演技大好き。
終演後、亀ちゃんに感想を話せてよかったーー。
【ストーリー】
父親が家を出て以来、ウィングフィールド家は、上流社会出身という記憶から逃れられない母アマンダ、ガラス細工の動物たちにだけ心を許す足の不自由な姉ローラ、現実と乖離した母と姉を捨て去れずに一家を支えるトムが身を寄せ合って暮らしていた。そんな出口の見えない生活がジムという青年の来訪により変化する。それはこの家族にとって希望の光に見えた。しかしガラス細工の動物たちが永遠の存在でないことを証明する光でもあった。トムが奏でる追憶の調べが、二度とは戻れない過去へと導いてゆく――。
作:テネシー・ウィリアムズ
訳:小田島恒志
演出:高橋正徳
出演:塩田朋子(アマンダ)永宝千晶(ローラ)亀田佳明(トム)池田倫太朗(ジム)
アフタートーク*のゲストの臨床心理士の信田さよ子さんの言葉が腑に落ちることばかりでした。 アマンダが16年前に出て行った夫のことを遠回しに酒飲みと娘は結婚させないかと言うのに時折愛しているなんて平気で言うので子どもたちは混乱しちゃう。
色々スッキリした!
信田さよ子さんも言っていましたが、塩田朋子さんのアマンダがとても美しいから、オーバーに言っているのではなく若いころひっきりなしに「紳士のお客様」が訪ねてきたことが想像できる。ローラは美しい母に憧れているだろうな。新訳の『ガラスの動物園』は出ないのかなーー。
*信田さよ子(臨床心理士/原宿カウンセリングセンター所長×高野しのぶ(現代演劇ウォッチャー/しのぶの演劇レビュー主宰)
久々に感動した演劇でした。終了後の高野しのぶさんとのトークも多くの人たちが聞いてくださいました。1945年の作品「ガラスの動物園」が極めて現代的な母娘問題と引きこもりの親子問題と重なっているし、先の見えない閉塞的時代という点でも実に今日的だ。演出も舞台装置も素晴らしい。ぜひ見るべし!
— 信田さよ子 (@sayokonobuta) June 30, 2019
―亀田さん、トム役についてはどんなふうに考えていらっしゃいますか?
亀田「僕らも研究所の授業でこの作品は扱ったんですけど、トム役への憧れはきっとみんなあると思うので声を掛けていただいたことは単純にうれしかったですね。とはいえ同時に「江守徹さんのトムは素晴らしかった」などなど情報はどうしても入ってきますからプレッシャーもあります。でも語り部でもあるトムの存在がガチガチになってしまうとお客さんがわかりづらくなってしまうので、柔らかく、ニュートラルな存在で、舞台と客席の透明な橋のような存在でいたいなあと思っています。」
高橋「『ガラスの動物園』は追憶の劇とも言われています。30代になったトムが、20代のころの罪やトラウマを回想することで芝居が進行する。だから若いエネルギーだけでもダメ、歳をとりすぎていてもダメ。けれど達観している部分も必要で、いわゆる中年に差し掛かっている人間が、世界をどう認識するかを考えたとき、亀田くんが合うんじゃないかなと思ったんです。きっとそのあたりをうまく演じ分けてくれると期待しています。」
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