【鑑賞眼】新国立劇場「東京ゴッドファーザーズ」原作アニメへの尽きせぬ敬愛(三宅令さん)
「人気アニメの舞台化において、ファンが最も気にするのは再現度の高さだ。その点において、非の打ちどころがなかった。」「メインキャラクター3人はビジュアルを含めて、抜群の完成度。とくに主演の松岡昌宏演じる元ドラァグクイーンのハナちゃんは、セリフの抑揚から身のこなしまで、アニメから飛び出たよう。」
【鑑賞眼】彩の国さいたま芸術劇場「終わりよければすべてよし」これが本当の「大団円」(道丸摩耶さん)
「まず、バートラムがなぜそこまでヘレンを拒むのか分からない。」私もですーー。
「ヘレンから強烈な愛情を向けられるバートラムの男ぶりがいい。「私を私の思いどおりの男にしてくれ」と出陣していく姿には、ほれぼれするばかり。蜷川に鍛えられ世に出た藤原が、シリーズ最終作で堂々と中心に立っている。その存在感は、蜷川の遺産そのものだ。」
すごく嬉しいし、本当にその通りだと思うバートラムの藤原竜也くん。
「故蜷川幸雄からシリーズの演出を引き継いだ吉田は、この問題作を「絶対的なハッピーエンド」と解釈した。同シリーズと並行して行われてきた松岡和子の翻訳の力も大きい。難解なせりふをかみ砕き、舞台の上から届けるにふさわしい言葉遣いを選ぶ。「今回ほど女の私が翻訳してよかったと思った作品もない」(公演パンフレットより)と松岡が語った通り、ヘレン、ダイアナ、バートラムの母でヘレンの理解者、ルシヨン伯爵夫人(宮本裕子)といった女性たちの描き方が魅力的だ。」