新国立劇場小劇場にて『反応工程』観劇。
昨年2021年4月の公演が新型コロナ拡大で出された緊急事態宣言によりなくなり、やっと生み出された作品。
2時間50分(第1部:85分 休憩:20分 第2部:65分)
B2列、最前列でした。
宮本研さんの本、千葉哲也さんの演出、フルオーディション企画で選ばれたキャスト全員が素晴らしい。田宮役の久保田響介くんの真っ直ぐさが眩しい。凄い美術!凄い音響。
三池炭坑近くの軍需化学工場が舞台で、終戦直前だと黒板の日付でわかる。元々の工員と学徒動員の学生たちが作っているのは石炭を原料としたロケット砲の燃料。
改めて昭和二十年なんてついこの間のことなのだな… あの時代に生きていたらやっぱり戦争の激流に飲み込まれ、ノーと言えずにその中で精一杯生きたと思うけれど…
登場人物が、いるだろうパターン全部の性格・世代が描かれていたような気がする。
観ることができてよかった。
【作】宮本 研【演出】千葉哲也
【美術】伊藤雅子【照明】中川隆一【音響】藤平美保子【衣裳】中村洋一【ヘアメイク】高村マドカ【アクション】渥美 博【方言指導】下川江那【演出助手】渡邊千穂【舞台監督】齋藤英明 清水浩志
天野はな 有福正志 神農直隆 河原翔太 久保田響介 清水 優 神保良介 高橋ひろし 田尻咲良 内藤栄一 奈良原大泰 平尾 仁 八頭司悠友 若杉宏二
反応工程の戯曲公開
(追記 7・21 日経新聞)「人間の地肌に戦争責任映す演劇」(内田洋一さん)
作品本位で役者を選ぶ新国立劇場の全キャスト・オーディション・シリーズ。タレントの人気優先で制作されがちなこの国では珍しいが、世界標準の舞台づくりといえる。その2作目は千葉哲也の入念な演出で、近代戯曲に命を吹きこむ好舞台になった。