浦和ロドリゲス監督 阿部ら思い涙、通訳も感極まる/一問一答
J1浦和 ロドリゲス監督が涙「難しい決断だった」阿部引退、槙野、宇賀神退団に(デイリースポーツ)
「彼らにすごく愛情を感じている」と切り出したスペイン人指揮官は何度も声を詰まらせた。「クラブとしても監督としても非常に難しい決断だった。人間として彼らにすごく愛情を感じているが、プロとしての決断を下さざるを得なかった。彼らは長い期間、全てを出し切ってくれた。チームに喜びも与えてくれた。必要な時にいてくれた。一日に長い時間を過ごした仲間なので非常に大きな愛情を感じている。私は常に選手たちをサポートしたいと思っているが、逆に彼らにサポートされた。本当に難しい決断だった。彼らのチームへの貢献は残る。彼らのこの状況を逆にモチベーションとして感じている。1カ月後に、例えば阿部が(天皇杯優勝の)カップを掲げた姿を想像しながら、この1カ月を戦っていきたい。少し感情的になってすみませんでした」と涙を拭った。
「サッカー選手はプレーすることが一番好き。長年、浦和という素晴らしいクラブにいて、去らないといけないことは難しい状況であると思う。サッカーにはサイクルがあって、全てにおいて終わりがある。少し彼らと話した中で、いつかはこのような時期が来ることは本人たちも分かっているということだった。今後も彼らにはサッカーには関わってもらいたい。プレーし続ける時期もあるだろうし、今後は指導者やフロント入りすることもあるだろう。私にできることがあれば喜んで力を貸したい」と3人の今後の人生にも言及した。
ロドリゲス監督にとっては1年間という短い時間だったが、思いは尽きない。「彼らとは本当にいい関係を築いていると思う。朝グランドに向かう時、スパイクを履いている時にマキ(槙野)がいて、そこにウガ(宇賀神)が現れて話をするというのがほぼ毎日。そのタイミングでは阿部はまだ静かだが、例えば試合日、私はグラウンドでランニングをする。メンバー外である阿部が近づいて来て『頑張って、勝ってね』と声をかけてくれる。誰にでもできることではない。スペインでは見られないし、それは彼の人間力です」。目を潤ませ、心を震わせる言葉を紡いだ。