ジャンル・クロスII 近藤良平×松井周『導かれるように間違う』2回目。今日はK列通路側(すごく観やすいお席〜)
『導かれるように間違う』初日
初日と間合いのようなものが違うだけなのだろうけれど、こちらが感じる不安さと面白さがぐんと増していた。どこへ導かれているのか、掴みどころを探しながらの観劇。心を閉じたくなる内容のはずだけど不思議と後味が悪くないのは俳優たちの言葉だけでなく体を使った近藤さんの演出と軽快なリズムを刻むピアノの音だから?外の世界の海鳴りの音はとても不安。いくつものアンバランスが心に残ります。
音楽は森洋久さん。東京大学総合研究博物館准教授で専門は情報科学と科学技術史で、サウンドスケープと博物展示を組み合わせた音楽を手掛けていますが演劇は初ですって。私は森さんの作るピアノの音がとても気に入りました!!!サラリーマン体操を思い出しちゃったけれど、違いますよ。
帰りに友だちとお茶。チケットは別々に買ったのに偶然同じ回で通路挟んで一列違いだったということに終演後サイゼリアで話すまで気がつかなかったなんて😆。でも感想を話し合えて良かった。
以下、ネタバレありの感想。
場所は病院(その治療はロボトミー手術を連想されられます)。患者である記憶喪失の「ある男(成河)」と「土井(荒木知佳)」がある事件を起こした仲間だろうということは途中でわかる。記憶を医師の江口(亀田佳明)に喪失させられていることも…多分何かの組織の命令だと想像。でも江口は患者でもあると言い自傷癖があるようす(流れる血液🩸が蜷川さんだ〜)。(スタッフが白い壁を動かすのも蜷川さんリスペクトかな〜)
男と土井は恋人であり同志?もしかしたら兄妹かも?爆弾テロ事件を起こした目的が何のためだったかは書かれていないけれど。←それはこの舞台にいらない情報です。彼らの正義について考える。
入院している他の患者たちがいつからいるのか、もしかしたら彼らも仲間(過激派グループみたいに見えるけれど、普通の人たちだったんだろうな…)で、治療によって空っぽにされた結果潜在的にある癖のようなものだけ残るのか。出会った人・もの(絵にも)に影響されてしまう男(5歳児)、足がある意味がわからない車椅子の阿部(宮下今日子)、背中が正面だと思っている別府(中村 理)、動きが止められない島本(浜田純平)、嘘というか反対のことしか言えない土井。
江口医師もきっと仲間で一回空っぽにされて元医師だから残されていたんだろうなって思う。オウム真理教の林郁夫を思い出したよ。
彼らはこの病院で一回空っぽにされる。全て空になり退院のため出口を出ると、次の施設で個人の判断ができないように矯正され世に出されるようです。それなのに切り裂かれるような感情は湧かず後味悪くない(はじめに書いたように演出と音楽のそれ)。なにか掴みどころがない面白さがありました。
今回アフタートークとかないから、思いは観客それぞれに委ねられているようです。また観るので、メッセージを掴めるといいな。また書きます。
無料のパンフレット、ペラではなくページものはすごくありがたい。ありがとうございます、近藤さん。
そういえば今日も杉原さんが同じ回でした。今月3回遭遇😃
今日の導かれる〜の話、ハリー・ポッターの話、さい芸の改修後の話で盛り上がりました。