英国出身の演出家ショーン・ホームズにインタビュー 次回演出作『桜の園』のキーとなるイメージは「亡霊がただよっている感じ」 |取材・文=藤本真由さん(舞台評論家)SPICE https://spice.eplus.jp/articles/316190
イギリスの劇作家サイモン・スティーブンスさんによる上演台本について…
「東京でこれまで上演してきた『FORTUNE』と『セールスマンの死』はもともと英語で書かれており、原作と日本語訳が存在するという状態でした。『桜の園』の場合、原作のロシア語から日本語訳されたものを英語に逐語訳した台本と格闘するより、よくできた英訳版を用意することが重要だと思いました。」
「逐語訳ではいささか古風に思われるところ、例えば響きが複雑に感じられるロシアの人物名などを取り去り、セリフについても、チェーホフのスピリット、意図に非常に忠実に、もっと現代的で言いやすい言葉に置き換えています。重要なのは、サイモンは、スラングを使ったり現代の何かを引用をしたりしているということではないのです。チェーホフの意図に忠実でありながら、チェーホフの時代と今の時代とをエレガントにつなぐ台本だと思っています」
成河くん大好きじゃん。
「『桜の園』は、物語が始まる6年前に溺れて死んでしまったラネーフスカヤの若い息子のみならず、常に過去の亡霊がただよっている作品だと思います。ですので、今回のプロダクションのオープニングやキーとなるイメージについては、過去、現在、未来を問わず、亡霊がただよっている感じになると考えています。」
「我々は、新たな書き手、新作に投資する必要がある。そして、演劇とは、エンターテインメントであり、刺激であり、挑発であるということも忘れてはいけないと思っています。イギリスの劇作家エドワード・ボンドと仕事をしたことがあるのですが、「演劇、ドラマなしに民主主義はあり得ない」と言っていました。演劇も民主主義も古代ギリシャの同じ時期に生まれ、進化していったこと、そして、独裁政治がまず手始めに劇場を封鎖するものであるのも、非常に興味深いことです。演劇とは不思議な働きかけをするものであり、変化、不安の時代にはとりわけ重要性が増すものだと思っています。」
成河くんとショーン・ホームズさん、きっと相思相愛(respect)になるわね😊。まるで成河くんが話しているようだもの。笑