スパイラルホールにて大竹しのぶさんの一人芝居『ヴィクトリア』(演出:藤田俊太郎)観劇。5列上手より。
まぎれもなく演劇モンスターなしのぶさん。哀しいほどに美しい孤独な女性の魂の独白だけど、会話の先に人が見えるよう(夫、家政婦、友人、観客)。とにかく圧巻。素晴らしかった。カーテンを使った演出の照明効果も素晴らしかった。
モノローグの始まりは夫に語りかける43歳のヴィクトリア。夫は自分を見てくれない、愛してくれない、寂しい女性。心の葛藤を見事なまでに声と肉体のみで、いくつかの年齢にシームレスにスイッチしながら(無邪気なこども時代から腰の曲がった老女まで)モノローグがつづく。
緊張感たっぷりの幕が閉じてカーテンコールのしのぶさんは初舞台に恥じらう少女みたいに可愛らしかった。超大物なのに😃
「ベッドから出たくない…」
ある朝、ヴィクトリアは呟いた。
そして、彼女はとめどなく語り続ける。
その独白が導くのは色あせた夢への執着なのか、
真実への旅路なのか。現実なのか、空想なのか。
演劇人としても名高い映画界の巨匠イングマール・ベルイマン。
本作は、当初、ベルイマンが映画用の脚本として書き下ろしながら、
後に、ラジオドラマとして発表した異色の一人芝居である。
ベルイマンが執拗なほどに追求した主人公ヴィクトリアの魂の独白が、
今、大竹しのぶと気鋭の演出家・藤田俊太郎の手に委ねられた!
作:イングマール・ベルイマン
演出:藤田俊太郎
出演:大竹しのぶ
翻訳:肥田光久 翻訳:肥田光久 美術:松井るみ 照明:日下靖順 衣装:前田文子 ステージング:小野寺修二 音響:加藤温 ヘアメイク:佐藤裕子 舞台監督:福澤諭志 プロデューサー:北村明子
スパイラルホールの客席全員が大竹しのぶさんの声に耳を傾けている緊迫した空間で、数回携帯のピコンという音が聞こえた(どうか電源切って〜🙏)のと、遅れて入ってくる人たちの音(足音というより何かガタガタ物を置く音?)が凄く響いた。観劇される方、よろしくお願いします。
(原題:A Spiritual Matter)
イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman)
詳細は追記します。
今回お会いできないと思っていた俊太郎くんにも会えて嬉しかった〜。しのぶさんとカンパニーの皆さまと素晴らしい作品を生み出して、観せてくれてありがとう。