今日はクシシュトフ・キェシロフスキ監督のDEKALOGデカローグ 第10話『ある希望に関する物語』のDVDを見た。
おもしろかった〜。カメラは兄弟並んだアップが多く2人の表情が楽しい。弟が歌う歌の歌詞も最高です。
【舞台版をまっさらで観たい方は読まないでね】
パパのお葬式で音楽🎧聴いているパンク・ロッカーの弟😆
団地の父の家はテンション窓に南京錠、ドアを開けるとアラームの父の質素な部屋には趣味の切手やコイン(次男の服で埋葬されたくらい)その価値を知ることになるサラリーマンのイェジーとアルトゥル兄弟。
飛行機の切手を集めている息子ピョートルに、コジェンおじいちゃんの切手コレクションから1931年のツェッペリン号を選びお土産に。まだその価値を知らないですから。
切手蒐集家の集まりへ売りに行き、想像を絶する価値に驚く兄妹。 価値のわからないピョートルが交換してしまったからさあ大変!パパだって価値があるなんて知らずに渡したから怒れません。疎遠だった父のコレクションが思わぬ遺産になったのですから、父の家の防犯のため鉄格子をつけドーベルマンを飼うことに。遺産を守るというより、父が探していた「赤いメルクリウス」を手に入れようと自分の悩み事は忘れウキウキしはじめてる2人!
兄弟ふたりとも大金を夢見るけれど、悪どさがないのもいいな。騙されやすいし…
「赤いメルクリウス」を手に入れようと切手商の男と会うのですが、取引に血液検査?血液型?の診断結果が必要って。兄弟は欲深くなっているから疑うこともなく、切手とその男の娘に腎臓を与えることに🩸に応じる。あぁ人間ってーー!
兄イェジーの手術中に全部盗まれちゃうんですよ。兄が心配なアルトゥルは病院に泊まっていた、その夜に。アルトゥルのファンだというナースまでグルだったことが映像でわかります。
退院して兄弟はこれまでの生活に戻るのですが、ある日、郵便局の窓がふと目に入り、切手を書います。トメクから!!!(あ、デカローグ6で自殺未遂をおこしたトメクがね!!兄弟に切手を売ったんですよ。元気になってよかったーーー。)
そして街で見かけるんです、犯人(たち)を。
この『デカローグ10 ある希望に関する物語』の最初と最後にアルトゥルがシャウトする!「十戒の掟を破れ!」キェシロフスキが書いた歌詞、最高です。
<あなたは隣人の家をむさぼってはならない> 撮影:ヤツェック・ヴァアヴト
STORY「父の死により久しぶりに再会した兄弟は、父の遺品によって予期せぬ事件に巻き込まれていく。
パンクロックグループのリーダーである弟のアルトゥルは、コンサート会場にやってきた兄イェジから、疎遠になっていた父が亡くなったことを告げられる。父のフラットを訪れた兄弟は、彼が膨大な切手コレクションを残していたことを知る。父のコレクションに計り知れない価値があることを知った兄弟は次第にコレクションへの執着を募らせ、偏執的になっていく......。」(新国立劇場の「デカローグ」より)
小川さんの演出でどんな演劇になるか楽しみでならない!このテレビシリーズの10に出てこない「天使」の演出も楽しみ。
最後に、映像特典の42分もある100の質問も良かった。ジャーナリストの皆さまからのけっこう失礼で辛辣な質問に誠実に答えるクシシュトフ・キェシロフスキ監督。知的で言い得て妙な対応にますます監督好きってなってる私。
そして10まで少しずつ観ていたから今改めて撮影カメラマンの名前を見ていたら役名になっている名前がたくさん。ポーランドではよくある名前なのかもしれないけれど、10のカメラマンはヤツェックだし。アンジェイやピョートルなどなど。あ、4のカメラはクシシュトフ。