ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『タンゴ−TANGO−』★★★★ 

 私は好き。オープニングの曲で心を掴まれ(私は長塚さんの選ぶ曲が好きらしい。笑)・・いったいどんな舞台になるんだろうとドキドキ。それは今まさに革命を起こそうとするアルトゥルの心の叫びのような曲でした。一幕目の終わりと二幕目の最初の曲にゾクッと背筋に嫌な汗が・・全く後半の展開の想像ができない。感じよう、受け止めようと必死で観たよ〜(笑)なぜ彼と彼女が死ななければならなかったのか・・今もわからないままですが・・(笑)これは演劇でしか表現出来ない世界だなぁ〜と思わせる演出が好きでした。舞台には長塚圭史さんもいる・・その不思議な存在にも注目!!←こういう演出初めてでした!←後でDVDを見ても絶対伝わらないと思うあの場かぎりの空気。あるはずないのに違和感のない存在感。
演出:長塚圭史、脚本:S.ムロジェック『スワヴォミル・ムロジェク(Slawomir Mrozek)が1964年に発表した代表作。』へぇ〜。
『散らかり放題の部屋で、アルトゥル(森山未來)は怒りに打ち震えている。賭け事に熱中し、アルトゥルの戒めもどこ吹く風の祖母・エウゲーニャ(片桐はいり)。万事が事なかれ主義の叔父、エウゲーニュシュ(辻萬長)。最も許しがたいのは、彼らと共にトランプに興じている元の小作人、エーデック(橋本さとし)の存在だ。
若い頃〝革命と解放〟を旗印に、〝伝統〟を破壊しつくした父・ストーミル(吉田鋼太郎)は今や誰に観せるともない実験演劇を嬉々として繰り返す。女盛りの母・エネオノーラ(秋山菜津子)はこともあろうにエーデックとの男女の仲を鷹揚ににおわせる。
〝呪われた自由〟に支配された家族を救うべく世界秩序の再建計画に邁進するアルトゥルの鉄の意志を、美しい従妹・アラの奔放な魅力が惑わせる。彼女と〝伝統的な手法で結婚〟をすることで家族の目を覚まさせようと、滑稽で熱心なプロポーズをはじめるアルトゥルだったが……。』
1965年ワルシャワで初演だって。そんな古さがない。秩序の再建を求めて1人革命を始める青年アルトゥル!それっていつの時代(この家族と立場が逆の場合もある。その繰り返し)も世代が違う家族に反発する若者のもどかしさに共感できるからだよね。そして、なぜか笑っちゃう・・面白がっていいのかな?と思うような世界感。
アルトゥル演じる森山未來くんの素晴らしいこと!満たされず迷走し反抗する存在の美しいこと!そしてそれが滑稽にも見えるんだから凄い!
あっ・・パパのストーミル演じる鋼太郎さん!!!!びっくりしましたーー!私E列だったのです・・前にいつもはないZ列というベンチシートが4列あるので5列目。けっこう衝撃的でした(笑)多分アルトゥルの気持ちもわかってる。そして・・女はずるく、そのぶん男って切ないね・・と少し泣きたくなるような存在。
あとね〜なにより舞台美術が美しかったです。散らかり放題の部屋という設定の部屋も家具も無色透明。置きっぱなしの棺桶まである。色が無く無機質でも“好き放題自由奔放な家族”だとそれぞれの衣装からわかります。(未來くんって「変身」もだったけれど、そういう何もないような世界でも生きるね。たまに一人そこに立っているようにも見えたくらい) 電球の使い方も美しく面白くセンスがいいなぁ・・その美術は演出家の串田和美さん。「何も無い」に近いところまで持っていったその家は、登場人物たちの曖昧な関係とリンクしていておもしろかったです。
『自由と革命を象徴していたタンゴダンス』 まさかあの人とあの人が踊るとは!!!!←これから考えます。

ちょっと頭整理します。

   終わってからドゥマゴ。最近はひとりで寄ることが多かったから「ひとり?」「最近は一緒に観ていないの?」と聞かれたよ(笑)>m
「面白かった?」と聞かれ、「面白かったけれど、今夜いっぱい考えたい」と答えた私。そう、そういうお芝居だったんです。だって・・じわじわと今になって感じるところがあるのです。