ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

文学座『岸田國士傑作短編集』「明日は天気」「驟雨」「秘密の代償」★★★★☆ 

 作:岸田國士、演出:西川信廣
劇場に入ってまず美術(奥村泰彦)におお〜っと息をのみました。奥の大きな壁に90度に画かれたクリムトの「接吻」?の女性の顔に亀裂が入っています・・なんか意味深・・ 内側の壁は金箔で質感が上手い具合にクリムトのカラーになっていて、とっても重厚。すごい存在感。あとは3作品で小道具が変わっていきました。どれも昭和。私は「明日は天気」で使われた旅行鞄と籠。「驟雨」で後ろにあった・・あれ、なんだろう・・大きな鏡のない豪華な鏡のような家具?が好きでした。
岸田國士さんの短編、世代の違う夫婦が中心となる3作品。とにかく日本語の言葉、会話が美しいのです。さりげない会話で発せられる言葉も美しいから、私も美しい言葉を話せるようになりたい。今からでもって思いました(←三好十郎を観たあとと同じ感想ですが・・ということはすぐに忘れちゃうのよねぇ・・ 笑)。
その美しい会話が噛み合っていないので、観ているこちらは可笑しいったらないのです。女の言葉は計算高く、男は言葉で見栄を張る。今も昔もずっとそうなんだろうな。
 
★『明日は天気』「夏の盛り、家計をやりくりしてある海岸の旅館に避暑にやってきたひと組の夫婦。 海を見晴らせる部屋に逗留しているというのに、雨つづき。 砂浜に出ることもかなわず、海水浴も楽しめず、暇を持て余す二人の間に忍び寄る淀んだ空気…。 夫婦の会話の中から、男と女の、微妙にズレる感情の機微が浮かび上がる。」
焼きもちでもやかせようと昔の恋人に今会ったと話しても妻に狸寝入りされちゃう夫・浅野雅博さんは『連結の子』につづき鉄男っぽかったね(時刻表マニア?)。スタイルがいいので昭和初期の水着姿もさまになっていました(笑)その夫ったらもぅしゃべる、しゃべる・・黙っているときはない。
見栄を張るのも浅野さんだから可愛いのかなぁ・・ でも「ちょっとめんどくさい」夫ですね。でもね、端から見ると似た者夫婦でした。
 
★『驟雨』「倦怠期が見え隠れする夫婦。 ある日、新婚旅行に旅立ったはずの妻の妹が突然訪ねてくる。 狼狽する妻を尻目に、普段無口な夫は雄弁に語り出す…。」
 
★『秘密の代償』「休暇をとって海辺の避暑地の別荘にやってきた高級官吏の生田一家。 ある日の夕方、本宅から一緒に連れてきていた小間使いのてるが、唐突に暇を申し出る。 高級官吏の妻は、夫か息子がてるに手を出したのではないかと疑い、ふたりを試そうとする。 夫、妻、息子。それぞれの思惑が渦巻いて…。」
勘違いの連鎖。ちょっとミステリータッチの喜劇でした。そして、ここの夫婦が3作品の中でいちばんコミカルでした。夫・隆之(菅生隆之)と妻・朋子(塩田朋子)のお二人の見栄っ張りが最強です (*^o^*)  小間使いのてる(渋谷はるか)の戸惑いも可笑しかったです。とっととお暇をいただきたかっただろうな・・。

秘密の代償 岸田國士 http://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/46856_43492.html