ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

Theatre des Annales vol.2『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが〜(略)』★★★★★ 

正式なタイトルは『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』
 こまばアゴラ劇場にて
 プログラム購入。まだ読んでいませんが、すごい充実していそう。それでニコニコ価格の500円。
 
     「言葉は神とともにある。言葉が神にあった。すべてのものは言葉によって生まれた。」
 
本当に面白かったです。目の前の愛すべき5人に圧倒されっぱなしの105分。短いのにとても濃密な時間でした。キャストと谷さんの本と演出、照明などの巧さと色気にやられた感。ルートヴィヒがピュアなベルナルドと攻撃の作戦を練るところからの拡がりにワクワクしました。最後は涙が・・。
谷賢一さん・・Twitterのアイコンとそっくりのお顔だったのですぐにわかりました(笑)お名前は見たことあったのですが、今回はじめて谷さんの舞台を観ました。すばらしくて感動しちゃった〜 またひとり好きな作・演出家が増えちゃったじゃない!観るきっかけとなった井上裕朗さんのおかげ。
キャスト:スタイナー隊長(榊原毅)、ミヒャエル/ヴィンセント(山崎彬)、カミル(井上裕朗)、ベルナルド(伊勢谷能宣)、ルートヴィヒ(西村壮悟)
照明:松本大介さん、美術:土岐研一さん という、イキウメでおなじみのスタッフさん!
 
  「語り得ないことについては、沈黙しなければならない。」 ルートヴィヒの日記が読みたいです。
 
カミルの涙が目に焼き付いている。誰もがカミルになってしまうのが戦争だから。井上さんのこととか、感想とかはまたあとで。もう遅いので・・
 
(追記)ーーーーーーー
オルゴールに銃声、そして「親愛なるヴィンセントへ」から綴られる、イギリスで航空整備をしている最愛の友への手紙。第一次世界大戦下、そこはロシア軍との戦火にあるオーストリア軍の塹壕。(塹壕戦を検索してみたよ(/_;))
戦死した仲間アンドレアスの安息を祈る。《神の存在を信じている、でもなぜこんなに世の中は辛いのか、人が死ななければならないのか、苛立ちと悔しさ。塹壕により腐っていく傷ついた足と傷ついた心》「神はいない」「神は死んだんだ」と言ったカミルの言葉に「死んだってことは前は生きていたということ?」と聞くベルナルドが可愛い。そして神がいないならば「ぼくら誰に祈っているんでしょう」とベルナルド。(最後までこのベルナルドに癒されたよ。絵描きだったらしくクリムトを崇めていて、ウィトちゃんがクリムトの友人と知り、生きて帰れたらと会食を約束されたので、がぜん生きる気満々になったりね *)
哲学のことになるとめんどくささ全開になるルートヴィヒこと・ウィトちゃんはとても優しい男だった。
手紙の相手最愛のヴィンセントといちばん嫌な男ミヒャエルを山崎彬さんが演じている演出もとてもおもしろかった。ま、どこを切り取っても全ての場面がおもしろかったです。山崎彬さんはとってもクレイジーですね!←褒めてます。
前のほうで書いたけれど《ルートヴィヒがピュアなベルナルドと攻撃の作戦を練る場面》のワクワク感を伝えられないことが残念。テーブルの上に置かれたパンが山、ソーセージが河、でもソーセージだ。毛糸が塹壕、でも毛糸だ。煙草のしけもくは敵。パンの向こうにオーストリアハンガリーと・・イギリスはどこだ?
そう、そんなふうに椅子をオーストリアに見立てたとき「オーストリア帝国はぼろぼろだ」とピュアなビンセントが泣きそうに言ったのをきっかけに、「言葉」が「ヨーロッパ全てを、宇宙までをも描くことが出来る」ことに気づきワクワクしだすルートヴィヒ・ウィトちゃん!もう私は目を輝かせているウィトちゃんに夢中です。ボケ担当のようなベルナルドにも(笑)。
そんなウィトちゃんに「仕事をはじめたね」とヴィンセントが語りかける(この仕事というのは哲学者としての仕事でしょう)ウィトちゃんが創り出した最愛のヴィンセントとの会話。いちばん詩的で愛しい場面でした。(手紙の返事はないのです(T_T) 理由があって)ああ、ふたりの場面はファンタジーです。永遠だから。
その愛しくて楽しい場面が一転していきます。 どうにもできなかった暗闇のなかへ
 
   またあとで
 
クリムトのマルガレーテ・ストンボロー=ヴィトゲンシュタインの肖像 1905年(おお、ウィトちゃんのお姉様) http://www.geocities.jp/umschau/art-essay1.html 
ここに『哲学者ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは、彼自身がどう考えていたかに関わらず、誰でもその生涯に惹かれずにはおれないといった類の、きわめて詩的な人物であった』と書いてあります。ほんとにそう!!
ーーーーーーーーーーーーー
 ウィトちゃんと井上さんに呼ばれているルートヴィッヒ役の西村壮悟さん、私が観た『真田風雲録』『雨』『サロメ』に出ていたなんてーーー!サロメギリシア人だったようです。(近いうちにサロメの再放送あるね)
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン素晴らしかったよ!!見逃さないようにお名前覚えておかないとね!
 ←いちおうね。ネクストで同期だったのねぇ。