ABCホールへ。 
時間があったのでおちゃ。
私の週１イキウメも最後。「このぬくもりで孤独な夜勤も乗りきれます！」夜勤ないけど。
スタッフさんや演じるみなさんはとっても大変だったと思いますが、円形じゃない大阪・福岡ヴァージョンも凄くおもしろかったです。入口入ってすぐにセットだったので、この街の一角に迷い込んでしまった感じ。まだ客席が落ちついていないときに和夫と日比野が十字路を歩いていくところはなかったです。
謎の男（手塚とおるさん）は最前列の席に座ったり、音もなく上からおりてきて階段に座っていたり・・。するすると舞台の後方や横の壁に気づくといて薄ら笑い、お水をズズッと飲んでました。パンパンと手を叩くのが合図です（憑依みたいな？）。円形より、気配のない彼ら（原因不明で亡くなっていたり、精神病院にいるはずの彼ら。←ちょっと「奇ッ怪」っぽい）の動きがよく見えました。変な人影がうろうろしてる廃墟となった町、いえ、なりかけている町。円形よりやや俯瞰で小さな町内での出来事を観ている感じ。それでも、同じように最初から最後まで緊張していたので、終わったときはぐったり。
大阪公演の印象は・・「呪い」より、穏やかな水面になにかが落ちて波紋が広がるように、次々噴き出す人間の悪意・・嫌らしいところがいちばん怖かったです。崩壊していく人間関係は明日のわが身かも。中でも嫌だなって思ったのは、安斎父娘が越してきて、最初に蘭ちゃんちに落とされた謎の水のことで近所のひとたちが佐久間さんのことを疑ったこと・・冗談っぽいんだけど、ちょっとイジメの匂いがしました（これは初日から思っていたこと）。
お父さんとどこかへ消えてしまった忍ちゃんはピュアな和夫と赤ちゃんのところに戻って幸せになってもらいたい。もう大丈夫だから。
安斎お父さんが「責任」について、娘を妊娠させてしまった（ま、同意なんだけど高校生だからね。父娘の策略の匂いもするけれど）和夫くんに言った言葉はガツンと来ました。
「想像できないなら、想像することだよ」 「なんにも考えずに生きているからだよ」
そう、いつでも私は自分のことばかりで自分がうまくいくように考えていることに気づかされた。仕事では出来ていることなのに、プライベートはいつだって大変なことを後回しにしちゃうし、簡単な道を選んでしまう。お子さんがいるひととの違いがこういうことなんだろうな、とも思う。
出来ないなら出来るよう努力すればいいんだ、愛するひとのために自分の人生を変えようとなぜしない？単純なことだろ？ってことなんですよね。
正面から観ているので、日比野（浜ちゃん）の冷たい顔がずっと見えていて（あんなふうに顔を変えられるってすごいなぁーと思うくらい冷たい顔です(゜o゜;;）怖かったな〜。恋人のことを「勝手な女だなー」って言うところとか・・背筋凍ったもん(T_T)。でも一瞬の作り笑顔の練習も見ることができました。そして、カーテンコールで浜ちゃんがニコニコしていたので、ほっとして私の片鱗を終わらせることができました（笑）
カーテンコールといえば手塚さんずぶ濡れで・・寒そうに客席にすがるように笑っていて濡れた子犬みたいに可愛かった〜。３回目のカーテンコールで出てくるのが遅かったのは、早く濡れた服を脱ぎたかったんだと思います。どうか、風邪ひきませんように。
でも「許さない」のはなんだったのか、いまもわかりません。モヤモヤしたままなので引きずっています。「許せない」ではなく「許さない」。許しちゃいけないことなんだね。天災ではなく人災への警告。原発問題のメタファー？←私はそういうことじゃなく、これは純粋に神話的なホラーだって言ってほしいなぁ、と思っています。
でも・・
あの「重水」のこと・・。 「重水を減速材に使う原子炉が重水炉である。」「重水炉は、減速材に重水を用いる原子炉のこと」 あーーやっぱりそうなのか。（もっと前に調べればよかった。みんな知っていることなのな？）他人のせいにするひとたちの怖さも。
今回も、かみむら周平さんの仕事がとても好き。とくにラスト、明かりが落ちた後の音楽がたまりません！
初日 http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20131108/1383928359
２回目 http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20131117/1384700235
３回目 http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20131123/1385220705
↑『片鱗』の私の片鱗です〜。
次は５月か。寂しいなぁーーーーーーーーーーーーーーーーー。NHKにリクエストしよ。
あ。２月に入場無料のイベントがあるってパンフレットに書いてあったね。なんだろ〜。
