名取事務所の現代英米演劇連続上演シリーズ第2作。(現代英米演劇連続上演シリーズ第1作は『ピローマン』)
『劇』小劇場にて
作:ポーラ・ヴォーゲル(PAULA VOGEL) 翻訳・演出:小川絵梨子
『How I Learned to Drive』は1998年にピュリツァー賞 他多くの戯曲賞を受賞したポーラ・ヴォーゲルの戯曲。
物語は、ある一人の少女の過去を遡る。すごく面白かった。11歳、13歳、18歳・・とリトルビットという少女が『思春期に義理の叔父から受けた車のレッスンとその過程で起こった出来事を語っていく』運転免許 私の場合という題名もおもしろい。
主人公リトルビット役の荒木眞有美さんの演技に心をえぐられるような気持ちになりました。カーテンコールのときの涙にぐっときたよ。ベック叔父さんを演じた中村彰男さんも凄かった・・ほんと尋常じゃないリトルビットへの執着。
すごい戯曲だなぁ・・ 『小児性愛。近親相姦。男尊女卑。家族間に隠された性。常に避けられ、卑しまれ、語られない家族間での性的タブーを紐解きながら、彼女が自分の人生を自らの手に取り戻していく〜』
あんな「ヤラシイ」ことはされなかったけれど中村彰男さん演じる叔父ベックのような人、沢山見てきたもの。女子なら思い当たるんじゃないかな・・。そういうトラウマ、ひとつくらいあると思う。だから、戯曲賞を受賞しているもともとの戯曲も面白いと思うけれど、小川絵梨子さんの翻訳がとてもリアルで、翻訳劇の気がしなかった。小川さんの演出のドライブ感がいい!小川さんの演出じゃなかったら、ものすごく暗くて重いものになって憂鬱になっていたかも・・。でも何だかキツいわぁ・・なので1回で十分(←今までの小川さんの作品は複数観たくなっていたけれど)。
斉藤深雪さん・小林亜紀子さん・西山聖了さんが「コロス」という設定がおもしろい。一昨年イキウメに出ていた西山聖了くんはオールバックだったのであれっ?と一瞬思ったけれど、声ですぐわかりました。ストーリーテラー的な役割にぴったり、ひきつける声だよね。
浜ちゃんも観に来ていて、会えて嬉しかった〜。