シアタートラムへ。世田谷パブリックシアターのポスターが変わっていた。才原・堤さんだ。おもしろそうだけれど、これはチケットを取っていない。
今日はXA列センターブロック。蒼井優ちゃん堪能席。
「シアタートラムにて『スポケーンの左手』観劇。マーヴィンに対して前回とまた違う思いが湧いてきて、私は振り出しに戻ってみる。登場人物の立場が細かく行ったり来たり、私の感情も行ったり来たり、それってなんて楽しい体験なんだろう。」と帰りの電車でtweet。
3回とも違う感想が自分の中に沸いて来て(マーヴィンにたいして、そしてカーマイケルさんの左手に)とても不思議な気持ち。終盤のマーヴィンの表情。なんなんだ・・あれ。2回目に観たとき、ラストにポール・ニューマンとレッドフォードの映画のようなそれを思ったんだけれど、今日は違う。もっと寂しかった。マーヴィンの痛みはカーマイケルさんにもわかってもらえなかったけれど、マーヴィンは明日の朝、サボテンに水をあげるのでしょう。おそらくトビーのお母さんのサボテンに。
きっと、正解のないのが正解。 ←なんて、ちょっとシェイクスピアみたいなこと書いてみた。→「愛に理由はないというのが愛の理由。」
“A reception-ist?” Carmichael spits at Mervyn.
「bell boy(ベルボーイ)」と「receptionist(フロント係)」の違いって?フロント係と呼ばれるのを嫌がったマーヴィン。なんでだろう。あの寂れたホテルでは、ほぼ兼任している感じだけれど。電話オペレーターも。「パンツ一丁でいるフロント係なんているわけない」その通りだよね。
自分の左手を探しているカーマイケルさんは54歳。しゅうさん演じる彼が時折見せる母親への優しさや性格の几帳面さに最後は同情しちゃうけれど、よーく思い起こすと相当猟奇的な殺人鬼だよね。37年前カーマイケルの左手を切り(線路に乗せ)カーマイケルにカーマイケルの左手で「バイバイ」ってしたチンピラ(フーリガン)たちをすでに殺しているわけなので。なので、おびただしい数の左手をと殺人に使うしか使い道がない石油缶とロウソクを持ち歩き、旅を続けるカーマイケルさんちの「警察に見られてはいけないもの」の正体を皆(客席も)ゾッとするものを思い浮かべている。それがポルノ雑誌だと、カーマイケルさんとお母さんの電話の会話で知って安堵とともに大爆笑。その会話が微笑ましく、このブラックなコメディにホッとする。
フライヤーの誤字の27年は原作がそうなのかもね。しゅうさんに合わせて37年前にしたのかしら?クリストファー・ウォーケン版は47年だものね。(しゅうさんもそれくらいっぽいけれど、37年に意味があるのかしらね)
「LOVE & HATE(ラブアンドヘイト)」のタトゥーの意味とは? http://www.luckyroundtattoo.com/phrase/love-and-hate.html
『LOVE=愛、HATE=憎しみ。どちらも人間が持つ感情です。真逆の感情でありながら共存するものでもあり、光があるから影がある様に、人間はこの二つの「愛と憎しみ」、「善と悪」と言った感情の間でもがき苦しみ、バランスを取りながら生きています。』
カーマイケルさんの右手にはLOVEって書いてあったんだろうね。昔ね(ボールペンで?) すごいな、マクドナーさん。
“Perfect, demented, ecstatic, sadistic and imaginative.”-The New York Times
「完璧で、発狂していて、有頂天で、サディスティックで、想像力に富む。」-ニューヨークタイムズ
いろいろ読んでいたら、こんな劇評が(クリストファー・ウォーケン主演の本家に)。これって、小川絵梨子さん演出の『スポケーンの左手』にも言えるよね!!!
次に観るときまでにマーヴィンの孤独とテナガザルとの関係について考えてみよう。(と、書くとカフカの猿のことを思い出す。)あ、いつか小川さん『ピローマン』再演しないかな〜 成河くんで。
(追記)
昔から「黒人」は「猿」や「ゴリラ」などと差別的に表現されていたこともあり、「猿の惑星」の猿や「キングコング」のキングコングは黒人奴隷のメタファーと考えられていたらしい。なるほど。そうなんですね、マクドナーさん。(ならチューバッカは?)(あのトビーのヨーダにも何か意味があるんだろうなー)
あと、手持ちのチケットは千秋楽だけか・・ 落ち着かなーーーーーい。「来てよ」とか言われた日には・・もぉ。いえ、言われたいんですけれどね。
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数日前に「スポケーンの左手』をご覧になった 高橋洋くんのブログ「眉、ピクピク! - 二塁手」http://blog.livedoor.jp/yotakahashi31/archives/46080066.html
『今年舞台でご一緒した成河さんが素晴らしい役者さんなのはいろんな芝居を拝見してもイヤと言うほど思い知らされているわけだが、今回またスゲーなと(ちょっと蹴りたくなるくらい)思わされたのは今まで見たことのないソンハの芝居だったから。なんというのかウナギかナマズかとにかくどっから手を出しても捕まえられない正体不明の演技。それをヘラヘラスマイルでやってました。うーんこの無所属なインパクト、演りたい…というか既にやられてしまったなという嫉妬。』と。 洋くんも相当すごいと思います。
『フェードル』観にいきます。キャストはすごい方ばかり。『私のなかの悪魔』の洋くんは、もったいない使われ方でした。http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20130329/1364573448