ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

文学座12月アトリエの会『 白鯨-Moby-Dick- 』★★★★★ 


昨夜、新国立のバグダッド動物園の入口でお会いした松岡和子先生がマチネで観てきたらしく興奮気味に「とてもよかった」「今年いちばんか2ばんかくらい良い」「絶対観なくちゃだめよ」と絶賛していたので、当日券で行って来ました。 昨日はベンガル虎に喰いちぎられた右手を戦士トミー。今日はモビー・ディックに片足を喰いちぎられたエイハブ船長。

文学座アトリエにて『白鯨』観劇。当日券はサイドシートだったのでまるで彼らと捕鯨船に乗って海に出たような素晴らしく楽しい演劇体験!アトリエが円形劇場となり盆舞台でめくるめく場面転換。10曲くらい歌あり。効果音も俳優さんたちの声なんだもの!観てよかった!ワクワクしても涙って出るのね。」と移動中にTweet
 
A列サイドシート(入口近く)
【作】ハーマン・メルヴィル 【脚本】セバスチャン・アーメスト 【訳】小田島恒志 演出/高橋正徳 【美術】乘峯雅寛 【照明】阪口美和 【衣裳】宮本宣子 【音楽】芳垣安洋高良久美子 【音響効果】原島正治 振付:すがぽん【歌唱指導】満田恵子
【出演】小林勝也 中村彰男 沢田冬樹 櫻井章喜 石橋徹郎 川辺邦弘 上川路啓志 藤側宏大 釆澤靖起 鈴木亜希子
あらすじ(Wikipedia)「19世紀後半の帆船時代、アメリカの捕鯨船団は世界の海洋に進出し、さかんに捕鯨を行っていた。当時の大捕鯨基地・アメリカ東部のナンタケットにやってきたイシュメイル(物語の語り手)は、港の木賃宿で同宿した、南太平洋出身の巨漢の銛打ち・クイークェグとともに、捕鯨船ピークォド号に乗り込むことになった。出航のあと甲板に現れた船長のエイハブは、かつてモビィ・ディックと渾名される白いマッコウクジラに片足を食いちぎられ、鯨骨製の義足を装着していた。片足を奪った「白鯨」に対するエイハブ船長の復讐心は、モビィ・ディックを悪魔の化身とみなし、報復に執念を燃やす狂気と化していた。エイハブ船長を諌める冷静な一等航海士スターバック、常にパイプを離さない陽気な二等航海士のスタッブ、高級船員の末席でまじめな三等航海士フラスク、銛打ちの黒人ダグーやクイークェグ、インディアンのタシテゴなど、多様な人種の乗組員はエイハブの狂気に感化され、白鯨に報復を誓う。数年にわたる捜索の末、遂にピークォド号は日本の沖の太平洋でモビィ・ディックを発見・追跡するが、死闘の末にエイハブは白鯨に海底に引きずり込まれ、損傷したピークォド号も沈没し、乗組員の全員が死亡する。ひとりイシュメイルのみが、漂流の末に他の捕鯨船に救い上げられる。」
 
水夫たちが歌い、大海原を勢いよく進む捕鯨船。アトリエに嵐が起こり海に飲み込まれる。凄かったです。どれだけ段取りの稽古をしたんだろうと思うくらい緻密でなければできないスピード感のある演出。文学座の皆さまだからこそ(気心の知れたメンバー)できた舞台だろうな。
9月に観た ナショナル・シアター・ライヴ 2015 の『宝島』と同じような冒険心を掻き立てられるワクワク感。最近戦争がテーマの舞台が続いていたので、余計そう思ったのかも。この作品、子どもたちを含め、多くの方に観ていただきたい!
二幕の最初に「鯨についての講義」もあり!講師は、水夫イシュメイル@さかなくん(釆澤靖起)で船長小林勝也さんと鈴木亜希子さんが映写アシスタントをする場面も入る。ピップのように小説ではカットされているエピソードを復活させている鈴木亜希子さん演じる少年ピップの存在も楽しい。そして石橋さんのスターバック(*)に最後泣かされました。良かったーーーー。

捕鯨船に乗り込んだ漁師たちは国籍が皆違うんですよね。彼らが一丸となり白鯨に挑んでいくところは、とにかくかっこよくて爽快。見張りが白鯨を見つけたとき(見張り台はアトリエ2階の出窓です)水夫たちと一緒に遠く大海原に白鯨を見つけワクワクしたーーー30秒くらいして、あ、これが舞台なんだと目を戻した私。臨場感たっぷりなんだもの。
 
「『リア王』『嵐が丘』と並ぶ「英語で書かれた悲劇ベスト・スリー」と称され、アメリカ文学のみならず近代文学を代表する文学作品であるハーマン・メルヴィルの『白鯨』。海洋冒険小説の中に百科事典が入り込んでいるごとき破天荒な小説です。 かつて巨大な白い鯨モビー・ディックに片足を喰いちぎられたエイハブ船長が復讐に燃えてモビー・ディックを追い、破滅してゆく物語を舞台化したのは、イギリスのシアター・カンパニー Simple 8 。その名の通りシンプルな道具を使って俳優の肉体表現と様々な音を駆使し、観客の想像力を刺激する舞台づくりで『白鯨』の壮大な世界を小劇場空間に繰り広げました。セバスチャン・アーメストによるこの台本をもとに、自然への畏怖を思い出させる海を、世界の縮図としての捕鯨船を、観客の皆さまに体感していただけるよう、文学座アトリエの新たな歴史を開く表現を追求します。」
http://www.bungakuza.com/moby_dick/
 
毎日新聞劇評/文学座「白鯨」対決後の静寂、深遠な問い(評・濱田元子さん)『メルビルの海洋冒険小説「白鯨」の舞台化。文学座アトリエという小空間に港町の酒場が、大海が、鯨が次々と立ち現れ、10人の俳優の身体がダイナミックな世界を描き出す。さまざまな見立てで、想像を駆使する舞台が刺激的。セバスチャン・アーメスト劇化、小田島恒志訳、高橋正徳演出。』『巨大な白鯨モビー・ディックに片足を食いちぎられ、復讐心に燃えるエイハブ船長(小林勝也)。一等航海士スターバック(石橋徹郎)や白髪まじりのマン島人(中村彰男)、語り部でもあるイシュメイル(采澤靖起)ら乗組員とともに、港町ナンタケットから捕鯨船ピークォッド号で白鯨を追い求める航海に出る。』『ほぼ何もない空間で、板切れや椅子、白い布、ロープを巧みに使い、さまざまなものを造形していくのが面白い。10人の俳優も時にアンサンブルとして歌い、アコーディオンやハーモニカを演奏し、彩り豊かにシーンを繰り出していく。盆(回り舞台)を使った船上や、エイハブ船長と白鯨の対決場面は壮絶。俳優とともに美術(乗峯雅寛)、照明(阪口美和)、音響効果(原島正治)、ムーブメント(すがぽん)などが一体となってスピーディーかつスペクタクルな舞台を生み出した。」「そして大海を自由に泳ぎ回る白鯨とは何なのか、捕らえようとするのは人間の傲慢なのか。闘いが終わった静寂の舞台に深遠な問いを残す。』http://mainichi.jp/articles/20151216/dde/012/200/012000c
12月22日(火)まで。ぜひぜひーーーーー。
(*)coffee shopのスターバックスSTARBUCKS)という社名は石橋さん演じる一等航海士スターバック (Starbuck) の名前が由来しています。http://www.geocities.jp/starbuckslinks/company/name.htm