ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

空想組曲vol.14『どうか闇を、きみに』2回目★★★★★ 

 昨夜に続いて今夜も、闇の中へ。 
 緊張の緊迫した1時間40分(昨日も観たのに)収録のカメラが入っていた。
センターステージにある椅子に繋がれた天井から吊るされた鎖が血で染まっているように見えるので、それだけで十分緊張します。あと音ね。
 同じC列だけれど、昨夜よりセンター。りょんくん演じる「男」に昨日よりも幼さが見えた気がする。歩き方とか。
  
 恐怖を描いているのだけれど、とても悲しい物語。子どもは親を選んで生まれてこられないから。母から受ける「教育」を愛だと思うよう洗脳されていたんだろう(「男」は生まれてから母親しか知らなかった。ある時まで外の世界を知らないで生きてきたから。「穴」の中で)。「少年」を探し出すまで、どんな風に生きてきたのだろうと思うと心が傷む。母の前で笑えないのに笑顔を作る「男」が悲しい。
 
「女」は完璧な母になりたかったんだろうか。「聞かれたことには答えようよ」「わかったら何て言うの?」「全部あなたのためなのよ」
これって親なら普通のことだけど。でも「女」は母を知らなかった。行き過ぎていた。なぜ子どもは私を怖がるのだろう。産んであげたのに。どうしたらお母さんになれるのだろうか知りたかっただけなのに。

「分からないなら考えよう。考えよう、一緒に。」「少年」は一筋の光。とても強い光だった。希望。よかった、出会えて(←拉致だけど)。大きな音を立てて断ち切れた鎖が落ちてきた時、ホッとして息をついた。「女」が女の父から受けた偏愛(性的虐待)、そして「長男」と、「男」が母から受けた「教育」という名の偏愛の連鎖が断ち切れることをただただ祈った。
性的虐待…もしかしたら、時間軸的に考えて(「男」が母に読まれた日記も中学生以上の年齢)、少年の父は「男」なのかもしれない。「これ以上ない最悪」なことだったから。最後の、「男」の額へのキスの意味は?
あの悲しい笑顔をつくれるりょんくんの凄さ。それだけじゃない、瞬時に変化する表情、仕草、髪の毛の先まで凄かった。
 
 

シアターガイド「ほさかようが三浦涼介&内藤大希らと描く“恐怖”とは? 空想組曲『どうか闇を、きみに』が開幕」画像がたくさん。http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2017/02/17.php
 
エンタステージ「三浦涼介&内藤大希の痛切な叫びが闇をつんざく、空想組曲vol.14『どうか闇を、きみに』開幕!」http://enterstage.jp/news/2017/02/006555.html
「本作の見どころは、何といっても三浦、内藤、山下の迫力の演技だろう。両面舞台ゆえに舞台と客席がとても近く、人物の感情が叫びや囁き、荒い息遣いから震え、汗と涙、血の滴りを通して、圧倒的な臨場感で表現される。」「特に、三浦の「男」役がすごい。一見、単なる精神異常者になりがちな難しい役どころを、三浦はギリギリで人間性を保ち、“人間”の物語へと昇華させる。」