Space早稲田にて2回目の『血は立ったまま眠っている』観劇。
23歳の寺山修司が初めて書いた戯曲の熱量に負けない三上陽永さんの演出はとても丁寧。全部出し切って叫び、その時を真剣に疾走する若者たちを演じた俳優陣、オレノグラフィティさんの音楽、美術に照明、なんて気持ちいいんだろう、あの時代にもし私が生きていたとしても「すべ公」たちと一緒にあの中にいることはないと思う(羨ましく思いながらも)のに、彼らの速度に気持ちが高揚するのを感じながらの1時間50分があっという間でした。スズキ拓朗さんの振付もパワフルで可愛くもあり、とても良かった。林檎🍎の美しい演出にもびっくり。
渡邊りょうくん演じるテロリストの灰男の声と言葉(詩の朗読のような)、陳または張を演じる申大樹さんが歌うブルースも同じく朗読のように耳に届くのは寺山修司の詩だから?
新垣亘平さん演じる灰男を敬愛する弟分の良が雑誌社の男の口車にのって彼の内面が炙り出されていくところも良かった。テロリストだけど何も起こせないジレンマを内に秘めている灰男より良の方が純粋な分、騙されやすいし、危なげ。
★ 書き足すかも ★
「一本の樹の中にも流れている血があるそこでは血は立ったまま眠っている」
先週観た『血は立ったまま眠っている』1回目★★★★
作: 寺山修司 演出: 三上陽永
音楽: オレノグラフィティ 振付: スズキ拓朗
出演: 渡邊りょう、伊藤麗、新垣亘平 / 神原弘之、 申大樹、渡辺芳博、杉浦一輝、坂本健、内田敦美、竹本優希、春はるか、本間隆斗 / 藤原啓児、 甲津拓平
プロデューサー流山児祥さんのコメント「アングラ・小劇場運動は天井桟敷、状況劇場、早稲田小劇場から始まったと言われています。アングラ演劇は60年代初頭のサルトルの影響から始まったとも言われてるが、実は1960年劇団四季の浅利慶太が谷川俊太郎に「芝居はもうおしまい」を書かせ、次に23歳の寺山修司に「血は立ったまま眠っている」を書かせ上演した時からだとわたしは思っています。
演劇と詩人のコラボが日本の前衛劇(=アングラ)を生んだのです。」