新国立劇場にて上演中!『デカローグ1〜10』亀田佳明 インタビュー
2024年6月11日 シアターテイメント編集部(最高です❤️)
一部抜粋させていただきますーーーーーーー。
ーーセリフがないということと、全てのストーリーに参加している、出番は少ないけれども…私的感想ですが、そこにいるときの佇まいやその空気感に溶け込むのが、結構難しいのかな?と。「1」〜「6」まで出演した感想をお願いいたします。
亀田:立ち位置は、ストーリーの中に入り込んでいく役割とはまたちょっと違っていて、少し距離があったりとか俯瞰したりする瞬間も必要だと思います。しかし、それだけではなく、そのストーリーの中にフィットしていくような瞬間も必要だったりする。それは話ごとに、しかも2人の演出家で、それぞれ微妙にニュアンスが違うんですよね。それは演劇として立ち上げていく上では、僕はプラスなことだと思っています。そこは自分としては結構楽しんでいるところです。観劇しているお客さまの印象としては、僕の役割は、どうしても何だかよくわからない存在ではあると思うんですが、それが結果として、想像力をかき立てて、お客さまの中にいろんな解釈を、想像を膨らませていただけるような存在になればいいかなとは思っています。
20分の休憩を挟んでの切り替えとかはされているのですか?
亀田:ないです。それは多分「1」から「10」まで1本の作品として捉えてもいいような気もしますし、僕自身も、一つの役だと思っているところがあって。ただ、役割は変わっていきますし、職業も変わります。あともちろん当然相手役も変わっていくので、そこにもちろんアジャストはしていきますが、役としての切り替えってのは実はそんなにあんまりないですね。
役の切り替えについて
亀田:僕は本当にないんですよ。それがなくずーっと日常でいくわけではないのですが、この企画の全体の1話みたいな捉え方をしていくと、なんかそういう意味でも僕の方から切り替えをする必要はないなと思っています。むしろそのまんまその状態で出ていくことの方が必要かなと思うところもあって、お客さまとの繋がりだったり、観客の視点を表現する存在でもあるような気もしますし、「頑張ってる」というのをできるだけなくした状態で関わっていくことが必要かなと思っています。
読者へのメッセージ
亀田:基本的に、人間の苦悩、葛藤、苦しみが描かれています。物語の場所はポーランド、時代も近現代ではありますが、我々の日常的な悩みや苦しみ、本当にささいで微細なものの繋がりがすごく多い作品。絶望的な終わり方ではなく、全ての物語がどこか余白を持った終わり方をしています。僕の存在・役割もそうかもしれませんが、必ずしも嫌な終わり方ではない…希望とはちょっと言い切れないかもしれませんが、何か救いがあるような作品になっているとは思います。俳優として全て参加しているのは僕しかいませんが、スタッフワーク、演出も含め、日を追うごとに、練度と温度がやっぱり上がるんです。それはこのロングスパンでやってるメリットかなと思います。5・6話を上演した「プログラムC」から7~10話の「プログラムD・E」にいくにあたって、練度と温度はきっとまた上がるんじゃないかと思っていまして、より期待していただければと思います。コメディ的要素が増している部分も…重みのある作品もありますので、より楽しめるのではないかと思います。それぞれが約1時間のお話ですが、1時間ではない濃密な内容です。きっと楽しんでいただけると思います。
デカローグ5「ある殺人に関する物語」(新国立劇場 撮影:宮川舞子さん)
デカローグ6「ある愛に関する物語」(新国立劇場 撮影:宮川舞子さん)
デカローグ1「ある運命に関する物語」(新国立劇場 撮影:宮川舞子さん)
デカローグ2「ある選択に関する物語」(新国立劇場 撮影:宮川舞子さん)
デカローグ3「ある父と娘に関する物語」(新国立劇場 撮影:宮川舞子さん)