昨日に引き続き日仏学院エスパス・イマージュにて【追悼 アラン・ドロン】
アラン・ドロン Alain Delon主演、ジャン=ピエール・メルヴィルJean-Pierre Melville監督の『サムライLe Samouraï』(1967)を観てきました。
ほとんど喋らなくても匂い立つような色気のアラン・ドロンはもちろんだけど、雨の匂いやメトロや部屋の匂いまで立ち上がるような映画でした。スクリーンで観ることが出来てよかった。ほんとうに。
「サムライ」は35mm、数年ぶりの上映だそうです。
🎞「ゴアン・マクレオの原作を、「ギャング」のジャン・ピエール・メルヴィルが脚色・監督したギャングもの。撮影は、「パリの大泥棒」のアンリ・ドカエと、直弟子のジャン・シャルヴァンの二人。音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当している。出演は、「冒険者たち」のアラン・ドロン、ドロン夫人のナタリー・ドロン、「シェラマドレの決斗」のカティ・ロジエ、「奇襲戦隊」のフラソワ・ペリエ、「アイドルを探せ」の監督であるミシェル・ボワロンなど。製作はジョルジュ・カサテイ。」
🎞STORY「ソフト帽にトレンチ・コートのいでたちでジェフ(A・ドロン)は、仕事に出かけた。駐車してある一台のシトロエンにのりこみ、合鍵でスタートさせ、郊外のガレージに乗り込んだ。ガレージの親爺は、車のナンバー・プレートを取りかえ、拳銃を、大金とひきかえにジェフに渡した。その後、コールガールをしている恋人ジャーヌ(N・ドロン)を訪ね、アリバイを頼むと、仕事場のクラブへ向った。ジェフの仕事は、クラブの経営者を殺すことだった。仕事は、いつものように、寸分の狂いもなく完了した。だが、廊下へ出た時、黒人歌手のバレリーにはっきりと顔をみられてしまった。警察は動き出し、クラブの客や目撃者の証言で、ジェフも署に連行され、面通しが行なわれた。目撃者の大半は、ジェフが犯人だと断定したが、バレリーだけはなぜかそれを否定し、それに、ジェフのアリバイは完全だった。だが、主任警部(F・ペリエ)は、依然ジェフが、怪しいとにらんで、尾行をつけた。そのことを知ったジェフは巧みに尾行をまくと、仕事の残金を受けとるために、殺しの依頼を取りついだ金髪の男と会ったが、男はいきなり巻銃を抜いて、ジェフは左手を傷つけられた。残金をもらえぬどころか殺されそうにさえなったジェフは、殺しの依頼主をつきとめるべく、偽証をして彼をかばってくれたバレリーを訪れた。だがバレリーの口は堅く、「二時間後に電話を」とだけ言った。約束どおりジェフは電話したが、誰も出てこなかった。やむなく帰ったジェフの部屋に、金髪の男がいた。男はうって変った態度で、殺しの残金を渡すと、さらに新しい仕事を依頼した。ジェフは、男のスキをみると、いきなりとびかかり、巻銃をつきつけて、依頼主の名を聞き出した。大がかりな尾行網をぬけジェフは、男から聞き出したオリエビなる依頼主を訪ね、有無をいわさず射殺した。オリビエの部屋はバレリーのすぐ隣であり、オリビエはバレリーを通じて自分の正体がばれるのをおそれて新しい仕事として、バレリー殺しをジェフに依頼したのだった。クラブでピアノを弾くバレリーの前にジェフがあらわれた。ジェフが拳銃を握った瞬間、張り込んでいた刑事たちの銃声がひびいた。主任警部が調べた、死んだジェフの拳銃には、一発も弾が入ってなかった。」(KINENOTEより)
🎞ラストシーンで主人公がメトロを乗り継ぐルートはテレグラフ駅(フランス語版)(11号線)→ジュールダン駅(フランス語版)(11号線 ここで逆行)→プラス・デ・フェット駅(フランス語版)(当時の7号線のうち、のちの7bis線区間)→シャトレ駅。(Wikipediaより)
🎞冒頭、「侍ほど深い孤独の中にいる者はない。おそらくそれは密林の虎以上だ ――『武士道』より」というキャプションが表示されるけれど、著作にはその記述はないらしい。
「ジャン=ピエール・メルヴィルは完璧なる映画作家だった。脚本を書き、監督し、製作し、編集し、音楽まで付ける。『サムライ』では照明までメルヴィルが作ったんだ。偉大な撮影監督アンリ・ドカエはメルヴィルの指示のもと、カラー撮影でモノクロ映画を作ってみせた」
アラン・ドロン https://x.com/elleawatson/status/1851953141480067563?s=46
映像で同じような役を日本でできる俳優は、亀ちゃん(亀田佳明さん)だけだと、アラン・ドロンの演技に「らんまん」の野宮朔太郎役の演技を思い出しました。