「落下の解剖学」「関心領域」ザンドラ・ヒュラーの特集上映決定、来日トークショーも(動画あり)
ドイツの俳優 ザンドラ・ヒュラー Sandra Hüller の上映企画「特集・ザンドラ・ヒュラー ──変幻する〈わたし〉のかたち」が10月3日から16日にかけて東京・YEBISU GARDEN CINEMAで開催。トークショーのため、ヒュラーが初来日することが決定した。
「初上映となるのは「レクイエム(原題:Requiem)」「エリザベートと私(原題:Sisi & Ich)」「二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと(原題:Zwei zu eins)」。1970年代ドイツの田舎町を舞台にした「レクイエム」は、てんかんの持病を抱えながら薬を絶ち、「悪魔に取り憑かれた」と信じるようになった女性の物語。主人公が心の闇を深めていく中、彼女の信仰を揺るがす神父2人が現れる。同作は第56回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を獲得。
「エリザベートと私」は19世紀末、結婚も修道院行きも拒んだハンガリーの伯爵令嬢イルマが、孤独に暮らすオーストリア皇后のシシィことエリザベートの侍女となることから展開。ギリシャ・コルフ島にある、女性だけの館でともに時間を過ごすうちに、2人は歪んだ共依存関係に陥ることになる。
「二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと」では東ドイツの町を舞台に、東西ドイツ統一前夜の大冒険が描かれる。1990年夏、幼なじみ3人が旧体制下で廃棄されるはずだった紙幣が大量に置かれている地下坑道を発見。3人は仲間と協力し、物資と交換するための独自の流通網を築き上げていく。」
【予告編】特集ザンドラ・ヒュラー:変幻する〈わたし〉のかたち
作品ラインナップは「落下の解剖学」「関心領域」「ありがとう、トニ・エルドマン」、そして「希望の灯り」(2018/トーマス・ステューバー監督/第68回ベルリン国際映画祭出品)、さらに「エリザベートと私」(2023/フラウケ・フィンスターヴァルダー監督)、「二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと」(2024/ナーチャ・ブルンクホルスト監督)、「レクイエム」(2006/ハンス=クリスティアン・シュミット監督/第56回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)受賞)という日本劇場未公開の3本を加えた全7作。
2023年、オーストリア皇后エリザベートの晩年を女官の視点から描いたフラウケ・フィンスターヴァルダー(英語版)監督の歴史ブラックコメディ映画『Sisi & I』でイルマ・シュターライ伯爵夫人を演じた。この映画は2023年2月19日に第73回ベルリン国際映画祭(英語版)でワールド・プレミアされ、3月30日よりドイツで封切られた。この作品での演技が評価され、ドイツ映画賞主演女優賞にノミネートされた。
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