ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『歩いても 歩いても』 ★★★

「いつもこうなんだよ」 歩いても歩いても死んでしまった長男より一歩遅れちゃう不器用な次男の良多。黒姫山も RV車も。・・そしてマリノス
ゴンチチの曲がぴったりハマる映画だった。映画にするには地味な脚本で、どこかにありそうな家族の一コマ。溺れている子どもを助けて亡くなった長男の命日に集まった家族の1日の風景。設定としてはルイ・マルの「五月のミル」って感じ(←こちらはドロドロだけど)。映画が始まってすぐはサザエさんちのような台所シーンで終わっちゃっうのかも?なんて思ったけど・・途中からそれぞれが抱えている問題や背負っている過去とか、心の中の闇のようなわだかまり(とかコンプレックスとか)が会話を通して出てきて、この映画の2時間でどんどんそれぞれの人生が見えてくるのだから、終わってからずっしり余韻が残る映画だった。それぞれが抱えている問題はとても重いのに親子とそれぞれの家族(娘の家族や次男の再婚相手と連れ子)の間に流れる微妙な空気とか、親子の言葉のやりとりが可笑しくてクスクス笑わされた。
是枝裕和監督。『ある夏の終わり。横山良多は妻・ゆかりと息子・あつしを連れて実家を訪れた。開業医だった父と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。姉・ちなみの一家も来て、楽しく語らいながら、母は料理の準備に余念がない。その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。』(goo映画より)http://www.aruitemo.com/index.html
いしだあゆみの「ブルーライト・ヨコハマ」が横山家の母が言う父との思い出の曲。その理由が、この母が何十年も心の中にしまい込んでいた思いだとわかったときもショックだった(そしてこの曲の歌詞がこの映画のタイトル)。←女としても母としても、とにかくこの母役の樹木希林さんの演技が凄かった〜〜。
家族に「なんにもしてあげられなかった」という後悔のないようにしたいな、と思う。
母親が部屋に紛れ込んできた紋白蝶を追うシーン、先日読み終わった小説「凍蝶」の中に出てきた蝶を思い出した。