こちらも好きで何度も観ている作品。『ぼくの伯父さん』同様アメリカの影響を受けた近代化に対する風刺が効いています。モチロン、とびきりお洒落でクール!ハイセンスな映画です。見応えあり!こちらはもう芸術的です。どのシーンも見逃せません。私はラストの大団円シーンがとくに好き。当時は不評で興行的に大失敗、ジャック・タチは破産したらしいけれど、そのときにこの作品は早すぎたのね。
『なんと70mmで製作された、タチの風刺コメディの大作で、ここでも彼は定番のキャラクター、大会社就職のためパリに登場するというおのぼりさんという設定の、ユロ氏に扮する。開巻、オルリー空港のさんざめきを見事に捉え、カメラはパリの街へ。ところが、なじみ深い古き良き町並みはすべて近代的ビルディングのガラスに反映されるという描写で、早速、得意のモダニズム批判をさらりと一節。そのビルの一つを、面接のために訪れるユロ氏だが、なかなか当の相手に会えない--というすれ違いギャグが本篇の白眉であろう。その後は、アメリカ観光団の女性(B・デネック)の挿話と並行に展開する構成のせいもあり、いつもの淡々とスケッチ的な笑いをつみ重ねていき、余韻嫋嫋たる雰囲気を生む彼のタッチがあまり活きず、個々のギャグにもくどさが目立つ。しかし、整理されきらぬこの二重構造も最後にはやんわりと落ち着いて、ラストの情景描写の味わい深さはいつもと変わらない。』(allcinemaより)
ひさしぶりにジャック・タチを観たら三谷さんのコメディ映画はまだまだですね(ごめんなさい)とにかく観てください(笑)。『ぼくの伯父さんの休暇』と『トラフィック』もぜひっ。