ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『ザ・ロード/The Road』★★★☆ 

   
そこは、世界の終わり。何があったのかは最後まで語られないけれど(天変地異とか核戦争とか・・)、そこは光ひとつない、全てを奪われた世界が舞台。死と隣り合わせながら、冬を越すためにひたむきに南を目指して道を歩き続ける父と子。海には希望があると歩く。ただそれだけ。その道にあるものは・・荒廃した灰色の世界。いるのは、同じように生き残ったわずかな人(多分「善き人」)と「人狩り」。美しい詩のような映画だった。面白いとかではないし、感動もないし、気持ちのやり場に困ったのだけれど、少しも眠くならず、見入ってしまった。ふたりが歩く道の先に希望があるか気になって・・。
少年が生まれたときにはすでに終わりかけている世界。父(ヴィゴ・モーテンセン)には幸せだった思い出があるけれど、少年(コディ・スミット=マクフィー)には何もない。あっただろうけれど日に日に薄れていく。母は生きていたくないと自ら死を選んだ。友だちという言葉も父に絵本を読んでもらって知ったんだろうな・・と思う。子どもを命がけで守り、最後は守りきれず息絶える父と、父の教えのとおり「火」を運ぼうとする少年の天使のような表情が琴線にふれましたーーー。
監督 : ジョン・ヒルコート『文明が崩壊して10年あまり。空を厚い雲が覆い、寒冷化が進んだ世界には生物の姿はなく、食料もわずかしかない。生き残った人々のなかには、人を狩り人肉を食らう集団もいた。そんな大地を、ひたすら南を目指して歩く親子がいた。道徳や理性を失った世界で、父親は息子に正しく生きることを教える。自分たちが人類最後の「希望の火」になるかもしれないと。人間狩りの集団におびえながらも、二人は海にたどり着く…。』『本作ではどうして世界が崩壊したのか、その理由はまったく語られない。それ自体は重要ではなく、その後の世界で生き残った人々がどう生きていくかということ。そのため本作の親子の旅は、一種の「神話」的なモノを生み出している。常に飢え、食料を手に入れることしか考えられなくなった人間は、野生動物のようだ。お互いの姿を見つけても、殺されるのではないかと近づかないのだ。そんな中で、人間は再び信頼を取り戻すことができるのだろうか。ヴィゴ・モーテンセン演じる父親と息子が全編出ずっぱりの熱演。原作は『すべての美しい馬』『ノーカントリー』が映画化もされ、高い評価を受けているコーマック・マッカーシーのベストセラー。』(goo映画より)
http://www.theroad-movie.jp/index.html
エンディングクレジットが流れるスクリーンにいっさいのBGMはなく、ラストシーンで少年が出会った家族と家族と一緒にいた犬の声だけが静かに流れていた。少しでいいから明るい声が聞こえないかと耳を澄ませてしまった。