『母親とゲイの息子と その恋人が 母親の生まれ故郷 北海道へ旅をする 初めての家族旅行 きっとハッピージャーニー』http://www.flyingstage.com/happyjourney.html
すごく、好き!!大好きなタイプのお芝居でした。
私の好きな映画に『トランスアメリカ』という父子のロードムービーがあるのですが、この映画は「スカートの下に何があるかよりももっとだいじなこと。」というキャッチコピーでわかるように「来週女性とになるための性転換手術を受けるブリー(父?)が、17歳になったどうしようもない暮らしをしている息子と出会い・・そのふたりがアメリカ大陸横断の旅をする」というものでした。(息子トビー役のケヴィン・ゼガーズがかわいくて美しくて最高にステキで映画音楽とこの子だけで幸せな気持ちになったのですが・・。)それとは設定が違いますが、彼らはピュアだし優しいし・・私はきっと好きだろうって予感はしていました。 当たりです!!
(以下、ネタバレあり)
それで、だいたいのストーリーの想像はついていたのですが、まさかのキャスティング。だって、お母さん役も男性(石関準)でしたから・・。登場人物は男女ともにけっこう多いのに、出演者は9人だけ(女性1人)。彼・彼の母親・彼の彼・彼の元彼以外の5人はひとり何役も・・。作・演出の関根信一さんは3役とも女性(おばちゃん)で、私は初め本当の女性かと間違えたほどです。舞台監督(役名です)がストーリーテラー(遠藤祐生)となる進行もキュート!彼がただのストーリーテラーじゃなくて「ひとが足りないから」と他3役も演じていたのもまたキュートな演出だなぁと思いました。
彼や彼の彼が素直で可愛くてね・・ こういう男の子たちが女の子を好きじゃないなんて困るわよね。私もゲイの友人がいるんだけど、はじめて「僕の恋人ちゃんの写真見る?」と見せられたとき、映っていたのが日本人の超イケメンくんだったときには「やられたぁ〜」と思ったもの。
彼らのロードムービー(ムービーじゃないね。ロード・ムービー風演劇)は、誰かへの思いやりで溢れていました。その思いやりがきっかけで電車に乗り遅れたり、の珍道中へ。彼の母が仙台で出会うことになった彼の元彼の友人(彼もゲイ)の母親や、一人暮らししている札幌の母との会話、こっそり彼らの様子を観にいったレインボーマーチで出会った炊き出しの女性(ゲイの息子を亡くしている)との会話にジーンと沁みました。
ラストシーン、母がどうしても乗ることができなかった飛行機に彼・母・彼の彼と3人並んでのフライト。さりげなくレインボーカラーの照明の下で手を重ねる3人。それこそハッピー・フライトでした。
今日はクリーニングしたてのパンツなのにーーと豪雨でうっとうしくなっていた心はカラッとして、ハッピーで優しい気持ちで劇場を出ました。
台本買ったら、その場でサインしてくださいました。