ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

シス・カンパニー『ガラスの動物園』1回目★★★★★ 

   今日はシアターコクーンのXC(3列目)のセンター近くというかぶりつき席でした(笑)初舞台という瑛太がなかなかよかったです!!これからも舞台に立ってほしいな。←(追記:Wikipediaを見たら初舞台ではなかったです。『怪談 牡丹燈籠』と『東京月光魔曲』に出演していました。ごめんなさい。)

ここ数年の長塚圭史さんの演出は自分に合っているようです ( ̄ー ̄ ) 楽しかったーー。いつもならもっと早い時期に観に行くのですが、ぜったい好きそうだと思い、そうなるともう一回観たくなるのがわかっていたので、今回は終盤のチケットを取ったのです(笑)
綿密な演出、美術、照明、音楽全てが私の琴線に触れ、ワクワクしながら観ていました。冒頭のトム(瑛太の声がいい!)のシーンからゾクゾクし、心を掴まれました。瑛太といえば・・一幕目と二幕目の終わり、瑛太(トムの独白する場面)が二村周作さんの美術に同化して、絵画のようでした。
長塚さん、ダンサーをあんな風に使うって、どんなときに思いついたんだろう。また、夢見たのかなーー(寝言とかね)。すごかった! ダンスはプロジェクト大山 http://projectohyama.jugem.jp/?pid=1
「追憶の芝居」です。だからストーリーテラーとなるトムだけが現代(60年代)の衣装のまま、舞台はトムが家を出ることになった30年前のセントルイス、父親のいないウィングフィールド家へ(時は1930年代です)。トムの記憶に残る部屋が悲しいくらい儚く空虚で泣きたくなるほどでした。そこにある気配・・居るのに居ない・・ダンサーたちが「気配」=それは「トムの記憶」でした。それはトムにしか感じられない気配。トムを記憶の奥に引きずり込む細胞のような気配。
原作:テネシー・ウィリアムズ 翻訳:徐 賀世子 美術:二村周作 照明:小川幾雄 
テネシー・ウィリアムズの自伝的作品です。 http://www.siscompany.com/03produce/37glass/index.htm
トムの母アマンダ(立石涼子)は、とくかく口やかましい。南部婦人のアマンダは夫に出て行かれ、必死でふたりを育ててきたんだろう。でも、娘と息子は自分の理想通りに育たず・・だから理想を押し付けようとガミガミ。夫にも自分の理想を押し付けようとしたんだろうと思う、そのことに気づかず過去の思い出に逃げている感じ。でもほんとうは言うほど華やかな過去だったわけではないだろうな・・自分の過去を美化しているんだろうなぁ・・。
その出て行った父の写真には顔がなく笑顔の口元のみ・・トムは顔を覚えていないのかも。
姉ローラ(深津絵里)の内気さは病的で、現実から逃げ自分だけのガラスの動物園のなかに引き蘢っているように見えます。でも一人で過ごす時間は楽しそうです。勤めをさぼり映画館や動物園で時間を潰すんだもの。母に知られなかったら、ずっとそうしてペンギンたちとおしゃべりしていたんじゃないかなぁ。家の中では言いたいことが言えないときに父が残した古いレコードに逃げてしまいますが、母にガミガミ言われてもけっこうどこ吹く風的なところもあります。
ローラのお相手に誰かいないのかと母アマンダに言われ、トムが家に連れて来た同僚のジム(鈴木浩介)は自己陶酔型。ハイスクール時代はヒーロー的存在で、そのことを知っているトムと仲良くしている。その人気者だった時代に自分に思いを寄せていたローラがトムの姉だと知り、昔の自分を思い出していった感じ。そのときにはもうローラのことなんて考えていませんでした。キスするまでは・・。
ハイスクール時代、足が悪く自分に自信がなく(過剰なまで)内気なローラに、声をかけてくれたジム。卒業後も思い続けていた王子様が目の前に現れ・・・ダンスに誘われ明るい場所に連れていってくれるんじゃないかと思われたそのとき・・・・ユニコーン(それは誰もがローラと重ねる)の角が取れて他の馬たちと同じになれることも少し期待したときに・・・ローラの心も折れた・・ ああ、泣きそう。。 
 
なんかまともな感想は書けないのですが、この4人のキャストが素晴らしかったんですよ。トムの記憶を表した美術と「気配」そして音楽も心に沁みました。←すごい月並みだね(笑) 
 
鈴木浩介さんといえばぁーーー『CLOUD -クラウド-』再演してほしいよぉーー。
 
3/28追記:パンフを読んだら、ダンサーたちは「トムの追憶に棲むモノであり、現実世界と繋ぐ役割を持っている」だけではなく、「ローラ」の分身でもあったようです。私は前過ぎて「ローラモード」の動きはわかりませんでした。残念。もう一回観たいわ。

というわけで、当日券でもう1回観ました。→ http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20120330