「劇」小劇場にて「名取事務所『ピローマン』Open the Gateway for…」観劇。
劇場に入ってびっくり。三角形に舞台が作られ、三方に席がありました。奥にドア、手前にテーブル、枯れ木、私の席はカンテラが掛かっているベッドの角あたりでした。すごい近いっ！
すごく好きでした。とても良かった。濃密で緊迫した時間が続くのにこんなに面白く見せてくれるなんて、小川絵梨子さんの演出と俳優さんたちの演技に魅了されました。楽しかった！３時間以上があっという間でした。残酷で、デヴィッド・リンチ作品のようなカルト的（というかサイコ・ミステリー）なドキドキさに、あまりに切ないお話なのに、笑っちゃう場面も多くホッとする時間も多々あり（二人の刑事のやりとりが滑稽で可笑しい）。ラストは優しい気持ちにさえなりました。
『 「むかしむかし、あるところに・・・」
とある時代の、とある全体主義国家。作家のカトゥリアンは、理由も分からないままに警察に連行され、そこで二人の刑事の取り調べを受ける。カトゥリアンには、ある連続殺人事件の容疑がかけられていた。彼の書く「お話」は、どれも不幸な子供たちが残酷で悲惨な運命を辿る話ばかり。その「お話」をそっくり模倣した児童連続殺人事件が起きていたのだった―。』http://www.nato.jp/profile/2013/image/pillowman1303.pdf
脚本：マーティン・マクドナー、翻訳・演出：小川絵梨子 この戯曲が読みたい！
小川絵梨子さんの作品だからということと、斉藤直樹さんが観たいとチケットを早々に取りました:*:・(￣∀￣)・:*: 『サロメ』『橋からの眺め（小川絵梨子さんの）』につづいて三回目の斉藤さん、今回のピローマンでのトゥポルスキ刑事役がいちばん面白くて楽しくて良かったです〜（かっこいいし〜）。アリエル刑事（田中茂弘）との心理戦も面白かった。二人に潜む深い闇。ぜひ刑事ドラマで見たいです〜。
小川絵梨子さんの演出、美術、照明（二幕冒頭の劇中劇「小さなキリスト」のときのブルーとオレンジの照明はゾッとしました。緊張感を引き起こす、気持ちを不安にさせる照明でした。両親・里親が育てるのを放棄し少女を虐待する怖い演出だったし・・←少女はコサージュをつけたドレスだけという演出で紐で上から吊るされ虐待を受ける）も、音楽も良かった〜。カトゥリアン（寺十 吾）にピローで殺されたときの母親の手がフライヤーのデザインとだぶりました。カーテンに隠されている部屋の演出、美術も凝っていました（たまにしか見せないのに）。
三方に席があるので、全ての表情が見えたわけではないのですが、いろいろな顔を見せてくれた寺十 吾さんの表情がよかったなー。（殺してしまったけれど）兄ミハエルの罪を軽くするとかの理由ではなく、自分が書いた童話400作品を守るために（自供したら作品を50年間保存するという約束）嘘の証言をして児童連続殺人事件の罪をかぶります。
知的障害のある兄ミハエル（渡辺 聡）も良かった。弟カトゥリアンに殺された兄ミハエルの秘密（両親から虐待を受けることになる前日のピローマンとの出会い、ミハエルが取った選択。カトゥリアンが好きだから）が最後にわかって、とても悲しく切ないのと同時にどこか優しい気持ちになりました。女の子が生きていてよかった(Ｔ＿Ｔ)
うまく感想書けないなーー。おもしろかったんだけどなーーー。
初マクドナー、その戯曲は魅力的でした。他の作品も観たいな。
マーティン・マクドナー （Martin McDonagh） http://www.parco-play.com/web/play/thomas/images/cast/01.html
アイルランドの劇作家さんなのね。
そうそう・・今日は一方的に顔を知っている俳優さんや演出家さんが沢山いらっしゃいました。休憩時間に外に出たら田島優成くんも出てきたので（次のお芝居を）観に行きます、とかブログ読んでますなんて言ってみちゃった。←そのお芝居に出られる しゅうさんもいらして（一時、いろんな劇場でお会いしていたのですが今年はなかった）今日もダンディでした〜。効率学のススメ、観に行きますという熱い視線を送っておきました！その視線ですが・・じっと見たら、しゅうさんにもじーーっと見られ・・目が離せなくなり困った（笑）
（追記）女優の瀬田ひろ美さんの感想がすばらしいので載せさせていただきます。『「ピローマン」のこと』 ttp://amba.to/XctmMo
そう、伝えたかったことはこういうことなのよ。こんなふうに上手に伝えられるような文章を書きたいな。
