ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

DULL-COLORED POPプロデュース『最後の精神分析 フロイトVSルイス』2回目★★★★★ 

会社を抜けて日暮里へ。2時半に戻りますなんて言って、戻ったのはほぼ3時半でしたが。
 今日のソワレが千秋楽。私はマチネ観劇。
また松岡和子先生にお会いしました〜。そしてワンダーランドの北嶋さんもいらしてました。お久しぶりでした。
6日に見た感想。 http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20131006/1381072410
それからちょうど一週間。よりドラマチックにエンターテインメント的になっていたような・・笑っちゃうところの面白さも増していたように思いました。とても90分とは思えないくらい豊かな舞台でした。
1939年9月。イギリスはナチス・ドイツに宣戦布告、ドイツ軍の空爆にさらされているロンドンのフロイトの家が舞台。
永遠くらい濃密で、美しく、友情溢れる激論を目撃できる幸せ。前回はF列(コンタクトレンズ忘れ・・)。今日はC列ほぼセンターだったので、ふたりの変化してゆく表情から指先の繊細な動きまでしっかり観ようと目を見開いていました。終演後は目が乾いてた(笑)
先週は最初に威圧感があると感じたフロイトですが(私が1回観ているからか)今日それは威圧感とはちょっと違うなと思いました。病気のせいで歩き方も少しいびつで家具に手をかけ伝い歩きしているフロイトですが、他人の助けはぜったい借りない(神の助けも←神がいるとしても)という強い決意で一歩一歩踏み出しているようでした。オーストラリアからロンドンに移り1年半、口腔がんというモンスターと闘いながらの日々の一コマに、今日みたいに、ルイスとの時間があったとしたら、私は幸せだなぁ〜 ←私はって変ですか?・・今回ほんのほんの少しだけフロイトのことを知ったので。フロイト先生に怒られそうですが、それはきっと神様がくれた安息日だったんじゃないかしらってね。(ええ、この話はフィクションですが) そんな風に神様って軽々口にしちゃう私って、なんなんだろうね・・そういう都合良いとき用だけの神様なんでしょうね。(高校がミッション系だったので、神様が少し身近なのかも)
ルイスが苦しんでいるフロイトが飲んでいる薬がアスピリンと知り、もう少し強い薬はないのか聞いたとき「もう少し考えたいことがあるから」と、思考を失うより苦痛のほうを選んだフロイト。がんに16年間も悩まされ、腫瘍を取る手術を31回も受けても煙草はやめなかった。壮絶すぎて・・病状を話す木場さんがリアルフロイトで・・泣けちゃったよ。
ふたりのバトルは、キャッチボールではなくドッジボール。意見が対立し怒鳴り合いになったかと思うと、フロイトには受け入れがたいだろう相違点がふたりの距離を近づけたり・・。その近づいたときのふたりがとってもあたたかくてね・・楽しそうでした。芽生えた友情の糸が見えた・・気がしました。
千秋楽の今日も稽古されていたそうです。 幸せだなぁ〜私。ひとつ後悔があるとしたら・・小劇場だからと迷ってスタンディングオベーションしなかったこと。
 
 
別れ際「また会えるかな?」と聞いたフロイトにルイスが「神のお導きの〜」と言ったあとのフロイトの顔ったら、心を許した相手にしか見せない顔でした。このセリフはジョークとひっかけていますが、先週はなかったおちゃめ顔でした(笑)
それは、少し前の会話にもかかっていました。神の存在についてわからないというルイスに「君(ルイス)が正しかったら後で教えてくれ」「私(フロイト)が正しかったら答えはふたりとも分からない」
 
そして、心を操られるから音楽は聴かない、ラジオではニュースだけを聴くというフロイトでしたが、BBCが流す「戦争は戦場だけで起きているものではありません。〜〜神のお導きのもとに〜神の恵みがありますよう」という英国王ジョージ六世のスピーチを聞き終わり、ラジオの前に座り、いつもだったら消す音楽を消さず、まっすぐ前を見据えたフロイトの、美しい神々しいまでのラストシーン。間違いなく演劇史に残ると思うのですが、小劇場のため目撃者が少なくてだめですか?(C列ほぼセンターだったので、目の前にそのフロイト@木場さんが!!!)
 
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