ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

Bunkamura25周年記念舞台『皆既食 〜Total Eclipse〜』3回目★★★★★ 

 Bunkamuraシアターコクーンへ。
 どうしてももう1回見たくてA席、2階の後ろの方で観てきました。残念ながら今日が最後です。
 
岡田将生くんは日程の3分の2を過ぎたというのに、あのセリフ量、声をはるところも多いのにまったく声つぶれてないことに感動。(しかも映画のキャンペーンもあり忙しそうで)ほんと、初舞台とは思えないわ。
天使のように無垢なランボーを演じるのが天使のような岡田くんじゃなかったらもっと退廃的な暗い舞台になっていたんだろうなぁ。
父親の愛を知らずに育ったランボー、母親からも抱きしめてもらえなかったかもしれない。16歳のランボーがはじめてもらった愛情がヴェルレーヌからのもので、なんでも受け止めてくれるはずだった・・のかも、父のように。
 
ランボーが出かけようって何度かおねだりしてやっと外出することになった場面でヴェルレーヌが赤いマフラーを首でぐるんぐるんして「鼻血」ってギャグみたいなこと言うんだけれど、そのあと岡田ランボーがどうしようもないなぁ〜という感じで笑っちゃうの。最初は生瀬さんのアドリブだったかもしれないけれど、それがふたりの関係(こども同士の友だちみたいな)を現しているなぁって思ったよ。
 
とにかくどの瞬間を切り取っても絵になる・・。私が好きな、何枚もの合わせ鏡の中に映るランボーの美しさったらもう・・絵画のようでした。フェルメールの背景のように漆黒の闇に浮き上がるランボーにため息・・。(2階席から観ると、はじめ客席も映るので少し気になったけれど、それは最初だけでした)ニーナの鏡の演出に「またか・・」という人がいるかもしれないけれど、今回は違うのよ。岡田くんありき・・
 
そういえば・・エピローグ(手のひらのところ)は原作と違うのね。映画のラスト(舞台とほぼ同じ)もいいけれど、私は蜷川さん演出のこの皆既食のラストがいちばん好き。あのキスからのヴェルレーヌの独白。涙をためながらの生瀬さんの声が心に響きます。いい声だ〜。
 
「黒い森」以外は室内劇だったのだけれど、シャルルヴィルには海がなく、ランボーは小さいころから「海を見たい」と海に憧れていたらしく、でも海とか砂漠とかアフリカとか太陽とかそういうものを全部描いたら4時間超えるわね。
「太陽が欲しいんだ!」ふたりで夢見た海へいけず、ふたりで太陽を見ることが叶わなかったのね・・。本のあとがきにあったように、蜷川さんの演出も「彼らの愛がまぎれもなく、その詩の中に存在する」というものだったね。直接詩は出てこなくても。
 
 
    明日試合で早いので、今日はこのへんで・・。
 年明けはPLUTO。