ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

ニナガワ☓シェイクスピア レジェンド第2弾『ハムレット』1回目★★★☆

 展示パネルは撮影禁止でした。 
 行ってきました。蜷川さんと一緒にスタッフ、キャストが命を削りながら創り上げたハムレット。まだ22日に始まったばかりなので少しだけ覚え書き。
 席はD列(4列目)真ん中へん。平ミキティや竜っちゃんが何度も目の前に立つので、ギラギラしたクローディアス、汗がほとばしり涙いっぱい渾身のハムレット王子、ふたりの顔から目が離せなくなる席でした。
セットは『唐版滝の白糸』を思わせる(というか同じ)長屋。ハムレットがはじめて日本に紹介された明治時代の庶民の暮らしの風景(美術:朝倉 摂/中越 司だけど、この長屋は朝倉 摂さん)で、ここで最後の稽古をする、というメッセージがありました。海外公演を意識してこうなったのか・・違和感ないかしら?と思いましたが、まぁ照明が巧妙ですし(照明:服部 基)、しだいに気にならなくなっていました。そこへ能や歌舞伎の演出・お経の音響まで加わって「和」の要素たっぷりのハムレットでした。でも、衣装は洋装(今回あまりぱっとしない)。
音楽で『わたしを離さないで』とか『カリギュラ』とか思い出してしまったり・・もあったけれど。全てにおいて。
 
など、いくつか思うことはいろいろありますが、楽しかったです。豪華な舞台を観たなぁ〜という感じ。クローディアス役の平 幹二朗さんを筆頭に蜷川組常連の皆さまの演技(シリアスもコミカルも)が非の打ち所がない完璧さですから、うわぁ〜っとウキウキ観ていました。
清家栄一さんのローゼンクランツと間宮啓行さんのギルデンスターンがまるで双子のようにそっくり。おもしろいのですが、ご学友にしては少しとうが立っているような・・飛びすぎのような・・。そこが狙いだったのかも?ちょろちょろ気になる存在でした。
 
藤原竜っちゃん、ハムレット熱演です。でも、12年前の21歳のハムレットからいくつもの歳月、いくつもの舞台を経てきた深みが一つ一つのセリフから感じられました。オフィーリアへの深い愛情も感じるハムレット。大人になったね〜。今日のカーテンコールでのほっとしたような笑顔に、私の顔もほころびました。初日は緊張していたと聞いていましたが、今日は何かを掴んだかな〜。私は憎悪溢れる迫真の演技のときじゃなくて、ホレイシオとの掛け合いや誰かを茶化しているときの王子の方が可愛くて好きです〜。でも・・衣装は前の?すこしくたびれた生地感。
 
横田栄司さんのホレイシオはとても理性的であり大きく優しくハムレットを支えていました。ハムレット王子が絶対的に信頼できる相手だと思わせるあの声、あの包容力。なんて厚みがあるのでしょう・・私も信頼しちゃいます。メガネ男子でした。
 
でね・・オフィーリア。満島ひかりちゃんのオフィーリアがとてもとてもよかった〜。全体的に熱い『ハムレット』の中に咲く一輪の美しい花のように可憐で清楚。そして儚い。光っていました。王子に愛を拒絶され正気を失ったひかりオフィーリアの歌声が心に響き、涙が止まりませんでした。いままで観たオフィーリアの中でいちばん好き。もっとオフィーリアの出番がほしいくらい!
「不思議な歌声が黄金の星々から降ってくる。」それでした。
レアティーズの満島真之介くん、ハムレットとの対決かっこよかった!ちょっと固いのが取れたらもっとよくなっていきそう。
レアティーズとオフィーリアがセリフ言いながらポローニアスパパ(たかお鷹さん)の頭をなでて遊んでたのが可愛かった〜。仕事離れて家に帰ると優しいパパ然としたポローニアス。レアティーズ留学前の3人の場面が唯一幸せなひとときでした。カーテンコールでひかりちゃん後ろのほうに頭の上に手のひらをあてる仕草してた(補助席に東出くんたちが座っていたので、そこに向けてやったのかしら〜キュートでした)。二回目のカーテンコールではけるときレアティーズがポローニアスパパの裾を踏んでつんのめってしまったのも可愛いかった。
 
内田健司くんのフォーティンブラス。ネクスト・シアターのフォーティンブラスほどの驚きはなかったけれど・・パンフレットの稽古風景ではとても素敵な衣裳着ていて見た目も凛々しく気品あるノルウェー王子だったのにどうして変えたのかな?野性的でもないし・・ちょっと弱い。旅芸人の内田くんは可愛かったな。内田くんの声も絶対的。(思わず内田くんにあの衣装は誰が考えたの?と聞いてしまったよ。演出だって言ってました。)(たしかに民主的な政治してくれそうだけど)
    (蜷川さん!内田くんの衣裳もとに戻して〜〜〜。)
劇中劇。旅芸人たちが披露した劇、歌舞伎テイストでおもしろかったな。雛壇に驚いたけれど、ま・・セット長屋だし。ネクスト・シアターの砂原健佑くんの劇中王妃、竹田和哲くんの劇中王、よかったです。竹田くんはカリギュラからだよね?四期生?とてもいいね。ネクスト・シアターの俳優くんたち安定しています。
ネクストの松田慎也くんはバナードー。マーセラスが星 智也さんなので二人ともたっぱがあり、落ち着いていてバランスよかったです。
 
あーーーーーー大事なことを忘れていました(笑)平ミキティの圧倒的な存在感。クローディアスの懺悔の場面で、平さんにあれをやらせてしまうニーナの演出。なんか凄かった・・。凄過ぎて・・あの井戸前でハムレットに勝ち目なかった。だって観客はおじいさまを心配しすぎて眼が釘付けに・・。
 
そんな感じで美術も衣装も和洋折衷。演出も「折衷」感否めません。キャストもばらばらな感じ。(´-`).。oO( これから少しずつ変わるかなぁ〜。)(´-`).。oO( ああ「長屋のハムレット」じゃなく「シェイクスピアハムレット」が観たいのです。もっとドキドキしたーーーーい)
 
http://f.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20150126122545 明日は休演日。みなさま一回一息ついて、またがんばってくださーーい。
 
 岡田くんランボーのときに買ったランボー詩集に載っている「オフィーリア」(堀口大學訳は少し古めかしい文体なので読みにくいけれど)ステキです。満島ひかりちゃんの白百合のようなオフィーリアを思い出しながら。
 次は2月11日。ニーナに会えますように。
  
最後に・・ハムレット王子としては、川口覚くんが演じた7代目ハムレットが後にも先にも大好きで、私の中で最高の位置を占めていることを今日改めて認識しました。ただ、覚ハムレットは、あの蜷川組のキャストでは難しいと思いました。